1.コロナウィルスで為替は乱高下

新型コロナウィルスの蔓延に伴って、為替相場が乱高下している。

コロナウィルスの蔓延が始まる前の円/ドル相場は、109.9前後で動きがほとんどなかった。それが、国内での感染者が増え始めた2/19に一瞬上がって、すぐに反転。ほぼ10日間下がり続けて、3/7に101.15まで下がった。

そのあと今度は逆に10日間上がり続けて111.4円を超える展開となった。

つまり、円/ドルは一旦大幅に下げたあと、急激に上げるV字型を描いているのである。

一方、この期間、日経平均株価は一貫して下がり続けており、原油価格も同じように下がり続けている。つまり、為替相場は、株価や原油と違った動きをしているのである。

為替はどうして動くのか。一般に言われていることは次のとおりである。

日本の景気が良くて、企業の業績も上向いている時には、日本の国債や日本企業の株式を買おうとする海外の投資家が増えるので、為替相場は円高になりやすい。
逆に日本の景気が悪化し、企業の業績も低迷している時には為替相場は円安に向かう。  
   man@bow https://manabow.com/foreign/chapter4/1.html)より引用

つまり、日本の景気が良くなれば円高となり、景気が悪くなれば円安になるということ。(要因はこれだけではないが)

しかし、今回為替は、むしろコロナウィルス禍で日本の不況が心配されていたときに円高となった。(そのころトランプ大統領は、米国は大丈夫と豪語していた)

ところが、コロナウィルスが世界中に拡散。米国でも大量の感染者が出て、米国の不況が心配される事態になると、今度は、逆に円安となっている。

つまり、一般に言われている「景気が良い国の通貨が買われる」とは逆の動きをしているのである。

2.不安な時は自国通貨が買われる

私は、この動きを以下のように考えている。

日本の投資家は、景気が悪くなると判断すれば、円を現金で持つために円を買い戻そうとする。そのため、円が上がり、ドルが下がる。

逆に米国の景気が悪くなると判断すれば、米国人投資家は同じ理由でドルを買うのでドル高となる。

つまり景気が悪くなる時(あるいは景気が悪くなるという不安があるとき)は、その国の通貨が買われるということである。

今回のコロナウィルスの場合は、まず日本国内において患者が出て問題となり始めたとき(中国に近いから当然)、円を買う動きが加速された。これは日本の投資家が不安を感じて、自国通貨の円を現金で持ちたいと考えたことによる。

しかし、コロナウィルスが世界に広まって、今度は逆に米国にも日本を大幅に上回る患者が出て景気が悪くなるという不安がでてくると、米国人が自国通貨のドルを持とうとしてドルを買い戻し始めた。この結果、ドル高となった。

要約すれば、将来を不安と感じたとき、それぞれの国民は自国通貨を買い戻そうとする。

さらに、このことは、この3日間の為替の動きに如実に現れている。

すなわち、下の図のようにきれいな24時間周期の波となっているのである。すなわち夕方から朝にかけての夜中に円安となり、昼間の時間で円高となっている。これが毎日繰り返されている。

これは、ロンドンとニューヨーク市場では自国通貨のドルやユーロが買われて円が売られ、東京市場では自国通貨の円が買われて、ドルやユーロが売られているということである。

時間足チャート この3日間、昼間に円高、夜中にドル高をくりかえしている

ちなみに、有事の円という言葉がある。これは、特に日本人は不安を感じたときに円を買い戻す。これが「有事の円」の正体である。もちろん米国人も不安を感じた時に自国通貨のドルを買い戻そうとするが、米国人は円だけを買っているわけではなく、ユーロやポンドなども買っている。一方、円/ドルの取引をするのは、相対的に日本人が多い。

さらに日本は世界最大の債権国であるから、日本人の為替売買は影響が大きい。日本人の動きが引き金になって、為替が動いていくことは十分考えられる。

コロナウィルスが世界中に広まったこの直近の10日間が円安になったため、有事の円買いは崩れたという人もいるが、その前の10日間は逆に円高になっていて、このときはちゃんと有事の円買いが起こっている。

最初の10日間は不安が日本だけだったので自国通貨買いで円高、次の10日間は不安が世界に広がった(むしろコロナウィルスの影響は日本の方が少ない)ため、欧米の自国通貨(ドルやユーロ)が買われて円安になった。

「不安なときの自国通貨買い」という見方からすれば、説明がつく現象である。

3.今後どうなるか

以上の話は過ぎたことを解説するのだから容易だが、今後どうなるか予想するのはむつかしい。今のところ、昼間に円が買われ、夜中にドルが買われることが繰り返されているが、やがて円買いかドル買いのどちらかが優勢になるだろう。

まだ油断は禁物だが、今のところ日本はコロナウィルスを比較的よく抑えている。一方、米国のコロナウィルス禍は大きくなりつつある。であれば、さらにドル高になっていくことが考えられるが、あまりドルが上がると、今度は上がりすぎという別の不安がでてきて、ドル売りに転じることになる。

この1年間、円/ドル相場は109円を平均値として大体、プラスマイナス4円の範囲で動いているから、ドル高になっても114円から115円くらいで止まるのではないかと予想している。

2020年3月24日

実際には、26日には円高が優勢となった。これは東京都知事が日本でもオーバーシュートが起こる可能性について言及し、外出を控えるように要請したことから不安が広がり、円高となっている。これも不安なときの自国通貨買いの原則に合致している。  (2020年3月26日追記)

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