FXに統計学は役に立つか

FXに統計学は役に立つか

レートのばらつきは正規分布と考える

タカギチがFXに統計学を応用する基本的な考え方は以下の二つの仮説からなります。

仮説1「過去1年間のレートの分布は正規分布である」
仮説2「過去1年間のレートとこれから1年間のレートは同じ分布をする」

つまり、これから1年間のデータのばらつきは、これまでの1年間と同じようにばらつくと考えるわけです。
もちろん、この仮説が崩れると統計学は成り立たなくなりますが、その点はリスクと考えます。これは仕方ないですね。

正規分布

いろいろな値をとるデータ群があったとき、そのデータのとる確率は多くの場合、平均値付近が最も高く、平均値から離れるほど小さくなります。その形は図に示すように釣鐘型をしています。このような分布を正規分布といいます。

図―1 正規分布(Wikipediaより)

例えば、お芝居の舞台で天井から紙吹雪を散らすと、紙吹雪はいろいろな方向に散っていきます。しかし、紙吹雪が舞台のどこに着地したのか調べると、紙吹雪を散らした場所の真下がもっと多く、遠くに行くほど少なくなりますよね。

このような紙吹雪の着地地点の分布はこの図-1で示すような正規分布になることが知られています。このような正規分布はいろいろな場面で現れるので、その性質は非常によく研究されています。

ここでは、為替レートのばらつきも正規分布をすると考えているわけです。

標準偏差

データが図-1でしめすような正規分布となるとき、そのばらつきの大きさを示す関数を標準偏差といい、次の式で示されます。

S:標準偏差、n:データの数、xi:各データの値、 :平均値

この標準偏差σ (=S) と平均値μから、データがある任意の数値をとる確率を計算することができます。

例えば、図に示したように、データが平均値から1σ分の間の値をとる確率は34.1%になり、2σ以上の数値をとる確率は2.1%しかありません。このような関係を使って、為替レートが平均値から何σ離れているかを計算して、これから上がるか下がるかの確率を計算することができます。

具体的な統計学の応用方法

では、具体的にどんなやり方をするのでしょうか。それは以下のとおりです。

① 日々の円/ドルレートを過去1年分集める
② このデータから平均値と標準偏差を求める
③ 平均値と標準偏差から、1年以内に上がる確率と下がる確率を計算する
④ 上がる確率>>下がる確率 と判断したらドル買いでエントリーする
⑤ 上がる確率=下がる確率 となるまでドルが上がったら、エグジットする

実際に平均値と標準偏差を計算してみた

2018年7月1日から2019年6月30日までの1年間のドル/円レートのデータを使って、平均値と標準偏差を計算しました。結果は次のとおりです。

平均値 :111.056円/ドル
標準偏差:1.650円/ドル

また、このデータの分布をグラフにすると次のようになりました。

図ー2 過去1年間の円/ドルレート

この分布は正規分布と考えていいでしょう。つまり、過去1年分のレートは正規分布であるという仮説1は妥当と考えていいと思います。

現在のレートは高いのか安いのか

昨日(2019年7月6日)の終値のレートは108.477円/ドルでした。これから偏差と確率変数を計算すると、以下のようになります。

  偏 差 :2.58円/ドル
  確率変数:1.58

確率変数が1.58ですから、これから正規分布表によって、現在値より1年以内にレートが下がる確率は0.0571(5.71%)、上がる確率は0.9429(94.29%)となりました。

つまり、これから1年以内にレートが上がる確率は94%もあるのに対し、下がる確率は6%しかないわけですから、これは買いでしょう。つまり、いつ買うか、今でしょうということになります。

では売りはいつになるか。これは上がる確率と下がる確率が同じになるレートで売るということになります。上がる確率と下がる確率が同じになる値というのは、すなわち平均値ですから、111.056まで上がれば売りということです。

現在のレートより上がる確率は平均値まではだんだん高くなっていきますが、平均値を超える確率はどんどん減っていくことになります。

結論

2019年7月6日現在、ドルは今が買い。111.056円/ドルまで上がったらエグジットする。
(2018年11月から2019年10月までの1年間のドル/円レートの平均値は109.65であったため、2019年11月現在は109.65でエグジットする予定)

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