妊婦はシーフードを食べなさい。ただし食べてはいけないものもある

シーフード(海産物)は体にいいといわれます。なぜなら良質のタンパク質が多く、糖質や脂肪が少ない。でもそれだけじゃありません。胎児や幼児の成長にとって非常に大切な栄養素が含まれているので、特に妊娠期、授乳期の女性には重要な食べ物なのです。

※ただしメチル水銀の多い海産物は避けましょう…あとで述べます

アメリカの農務省と保健社会福祉省(日本の厚生労働省にあたる)が発行している、「アメリカ人のための食事ガイドライン(Dietary Guidelines for Americans 2010年版)」には以下のように記述されています。(2015-2020年版にもほぼ同様に記述があります)

「一般の健康上の利点に加えて、シーフードの栄養価は、胎児および乳児期と小児期の初期に特に重要です。

妊娠中または授乳中の女性が週に少なくとも8オンス(226g)のシーフードを食べることにより得られるオメガ3脂肪酸、特にDHAの摂取が、視覚的および認知的発達(cognitive development)などの乳児の健康の改善に関連していることが示されています。

したがって、妊娠中または授乳中の女性は、メチル水銀が少ないものを選んで、週に少なくとも8オンス(226g)から12オンス(340g)のシーフードを摂取することを勧めます。」

つまり、胎児や乳児の視覚や認知機能の発達のために、妊娠中および授乳期にシーフードを食べなさいということです。特にシーフードに含まれるDHAが「認知的発達を促す」とされています。

認知機能というのは何でしょうか。辞書を引くと「脳の高度な機能。記憶・思考・判断・理解・計算・学習・言語といった知的機能の総称」(デジタル大辞泉)とのこと。つまり頭の働きのことをいいます。

ということは、分かりやすく言えば、お母さんがシーフードを食べると頭のいい子に育つ可能性があるということ。これはこれは、お母さんにとって聞き捨てならない情報かもしれません。

でもオメガ3脂肪酸やDHAなどとは、いったい何なのでしょう。時々聞きますけどね。あるいはメチル水銀の少ないシーフードってどんなもの?

脂肪とは何か

まず、まず脂肪の話からしましょう。
脂肪はカロリーが高いので体に悪いというイメージがありますが、炭水化物、タンパク質と並んで3大栄養素のひとつなので、適切に摂取することが必要です。

脂肪には、動物性と植物性があり、植物性としては一般の家庭でも使われている植物油(大豆油やナタネ油、オリーブ油など)やナッツ類に含まれています。動物性の脂肪としては、バター、牛脂、鶏脂、豚脂(ラード)などがあります。シーフードの脂肪は魚油ですね。これも動物性脂肪です。

脂肪の化学構造はこんな形をしています。

図1 脂肪の化学構造

脂肪の化学構造は二つの部分に分かれます。グリセリン部分と脂肪酸部分。ひとつのグリセリンに3つの脂肪酸がくっついた形をしています。これが、脂肪の基本的な化学構造です。R、R’、R’’と書かれた部分は炭素と水素が鎖のようにつながっている部分で、炭化水素鎖といいます。

この脂肪の化学構造は、どんな脂肪でも同じ。ただし、違うのはR、R’、R’’の部分。食品の種類によって、この炭化水素鎖が少しずつ違います。でもこれが大事。良い脂肪と悪い脂肪がここで決まりますので、あとで詳しくお知らせしますね。

私たちが脂肪を食べると、リパーゼという消化酵素の働きによってグリセリンと脂肪酸に分解されて、体内に吸収されることになります。こんな風↓にね。

図2 脂肪は分解されてグリセリンと脂肪酸になる

脂肪酸とは何か

脂肪酸の化学構造は下の図のようになっています。

図3 脂肪酸の化学構造

脂肪酸は一番端にCOOH(図ではHOOCと書かれていますが同じです)という部分があり、それ以外(R、R‘、R’’の部分)は炭素(C)が鎖のように繋がった形をしています。

炭化水素鎖は一直線で、枝分かれはありません。さらに、炭素と炭素の結合には、単結合と呼ばれる部分と二重結合と呼ばれる部分があります。

脂肪は摂取する食品によって少しずつ違うと言いましたが、違うのは炭化水素鎖の炭素の数と二重結合の数です。ちなみに炭素の数は、面白いことにいつも偶数で、奇数はありません。

例えば動物性脂肪の脂肪酸には、二重結合がゼロのパルミチン酸(炭素数16、二重結合0)やステアリン酸(炭素数18、二重結合0)が含まれます。このような二重結合を含まない脂肪酸を「飽和脂肪酸」といいます。飽和脂肪酸という言葉もどこかで聞いたことがあると思います。

一方、大豆油やナタネ油のような植物性脂肪の場合は、この飽和脂肪酸がほとんど含まれません。代わりにオレイン酸(炭素数18、二重結合1)やリノール酸(炭素数18、二重結合2)のように二重結合を含む脂肪酸が多く含まれます。

このような、二重結合をひとつでも含む脂肪酸を「不飽和脂肪酸」といい、二重結合を2個以上含む脂肪酸は「多価不飽和脂肪酸」といいます。

オメガ3脂肪酸、DHA、EPAとは何か

ではいよいよ本題のオメガ3脂肪酸の話です。オメガ3脂肪酸は、炭化水素鎖の端から3番目の炭素結合が二重結合となっている脂肪酸のことをいいます。

図4 オメガ3脂肪酸は端から3番目に二重結合がある

ちなみにオメガというのは、ギリシャ語のアルファベットで最後の文字。英語でいえばZにあたります。それでオメガというのは、鎖状になった炭素のつながりの、最後という意味でしょう。そしてオメガ3というのは最後から3番目の炭素と炭素の結合のことです。

DHAも脂肪酸の一種ですが、炭化水素鎖の端から3番目に二重結合がありますので、オメガ3脂肪酸の仲間です。あとEPAというのもよく聞く物質ですが、これも重要な脂肪酸で、やはりオメガ3脂肪酸です。

DHAはDocosahexaenoic acidの略。日本語ではドコサヘキサエン酸といいます。ドコサはギリシャ数字で22を表し、ヘキサは6、エンは二重結合、酸はCOOHを持つことを意味します。

つまり、DHAは炭素の数が22個あり、二重結合が6個、COOHが1個ついている脂肪酸のことを言います。これを化学構造式で書くと次のようになります。

図5 DHAの化学構造

同じくEPAはeicosapentaenoic acidの略で、エイコサペンタエン酸のこと。エイコサは20、ペンタは5を意味します。つまり、EPAは炭素の数が20個あり、二重結合が5個、COOHが1個ついている脂肪酸のことを言います。

EPAの化学構造は次のようになります。

図6 EPAの化学構造

いずれも、端から3番目に二重結合がありますからオメガ3脂肪酸の仲間で、二重結合を2個以上含むので多価脂肪酸の一種ということになります。もうひとつ特徴的なことは、二重結合と単結合がひとつおきにあるということです。

なお、単結合と二重結合がひとつおきある構造は共役二重結合といい、単なる二重結合とは違って化学的に非常に安定した構造となります。このような共役二重結合はビタミンDやβ―カロチンも持っていますので、私たちの健康にとって、何らかの影響を与えている可能性があるのではないでしょうか。

ところで、植物性脂肪にはDHAやEPAを持つ脂肪はほとんどなく、動物性脂肪、特にシーフードが持つ脂肪にDHAやEPAが多く含まれています。

だから、DHAやEPAを摂取しようとすれば、シーフードを食べることがもっとも効率的ということになります。

>>つづき「どんないいことがあるのか」


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