バイオ燃料は人類最古のエネルギー源(バイオ燃料のはなし)

1.バイオ燃料とは何か

バイオ燃料とは生物から得られた物質を原料として作られた燃料のことです。バイオ燃料には発電所や工場でボイラーや加熱炉の燃料として使われたり、自動車や飛行機の燃料としても使われたりしています。バイオ燃料は地球温暖化の原因になると言われる炭酸ガスの排出量が少ない、地球にやさしい燃料として注目され、世界的に使用量が増えてきています。

私がバイオ燃料という言葉を最初に聞いたのは1990年代ではなかったでしょうか。気候変動枠組条約が締結されたころです。というとバイオ燃料は最近使い始められた燃料のようの思われがちですが、広い意味でのバイオ燃料は、ずっと昔から使われてきました。

バイオ燃料とは広く言えば、薪や木炭なども含まれます。 下の図に示すように、バイオ燃料には様々な種類があるのです。

バイオ燃料には様々な種類がある

江戸時代には、照明として使われた行灯(あんどん)の燃料は魚油やなたね油ですから、これもバイオ燃料です。和ろうそくもハゼの木の実から作られていたので、これもバイオ燃料。(現在のろうそくは石油が原料)

もっともっと昔の縄文時代。人々は木の枝を燃やして肉や魚を焼いたり、明かりにしたり、体を温めたりしていました。これもバイオ燃料。つまりバイオ燃料は人類最古のエネルギー源なのです。

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2.化石燃料、原子力は持続可能ではない

今でも、発展途上国の統計を見ると、一番使用量の多いエネルギー源としてバイオ燃料が挙げられていることがあります。こんな統計を見るとドキリとしますが、ここでいうバイオ燃料は薪。つまり煮炊きに薪が使われているということです。

もう少し発展した国になると水力発電が行われるようになり、さらに工業化が進んでくると、石油や石炭、天然ガスのような化石燃料がエネルギー源の上位を占めてきます。そして、先進国になると原子力が加わってきて、一方、バイオ燃料はほとんどゼロになっていきました。

しかし、化石燃料は炭酸ガス、原子力は核廃棄物という廃棄物を出します。そして、炭酸ガスは大気中に捨てられ、核廃棄物は処分されずにどんどん貯まっていきます。

炭酸ガスを回収して元の石油に戻したり、核廃棄津物を元の核燃料に戻したりしていては、経済的に成り立ちません。つまり、化石燃料や原子力は、その廃棄物を捨てる。つまり地球に負担をかけることを前提として経済的に成り立っているのです。

石油やウラニウムは枯渇性燃料なのでいつかは枯渇するなどと議論されることがありますが、それより先に炭酸ガスや核廃棄物が地球上に蓄積されていくことによって、行き詰まりになってしまう方が早いでしょう。つまり、持続可能(サステナブル)ではないということです。

 


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3.里山に学ぶ

昔、里山では、人々は木を切ってその木の幹や枝を燃料としていました。切られた木は、切り株から再び芽を出し、10年ほどたつと、また立派な木に育つ。そうしたら、その木を切って燃料として使う。これを繰り返していけば、燃料資源が枯渇することはありません。

また、木を燃やすことによって排出された炭酸ガスは、その木が育つときに同じ量が吸収されますから大気中の炭酸ガスを増やすこともありません。正に再生可能エネルギーというわけです。

現代のバイオ燃料も基本的には里山の木と同じです。先人の知恵に学びながら、現代の社会システムに適合し、かつ地球環境に負担を掛けない。そんなバイオ燃料が望まれています。

(2020年4月6日)

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