1.原油価格は下がったのにガソリン価格は下がらない?

最近、原油価格の急落が著しい。今年1月に60ドル/バレルだったものが、4月1日には20ドル/バレルまで下がった。なんと3分の1まで下がったことになるが、もちろんこれはエイプリルフールではない。

一方、ガソリンの小売価格は同じ時期に150.1円から130.3円(レギュラーガソリン全国平均:資源エネルギー庁調べ)まで下がっている。確かに下がってはいるが、原油価格の衝撃的な下がり方に比べれば小さいように思える。

原油が3分の1まで下がったのなら、ガソリンだって3分の1の50円くらいまで下がったっていいじゃないか。あるいは、そこまで下がらなくても昔(2002年頃)のように100円を切るような値段にはならないのだろうか。

一方、この原油価格の暴落によって、帳簿上の数字だが 国内の石油会社は軒並み大損失を計上している。例えば石油業界最大手のJXTGホールディングス(ENEOS)は2020年3月期の連結最終損益で3000億円の大赤字になる予想なのだ。

つまり、ガソリン価格が下がらないのは石油会社が大儲けしているわけではないのだ。

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2.なぜガソリン価格は下がりにくいのか

ではなぜ、原油の価格がこれだけ下がったのにガソリン価格は下がりにくいのだろうか。もちろん、ガソリンの値段は原油代だけでは決まらない。従業員の給料や、製油所で使う電気代や燃料代もある。輸送費もかかるし、減価償却費などという分かりづらい費用もある。いわゆる固定費というやつである。

つまり、原油代という原材料費が下がっても、固定費は同じなので、少なくともその分についてまでは小売り価格は下がらないのである。

では、原油の値段が40ドル/バレル下がった分、ガソリンのコストにどれくらい影響するのかを計算してみた。(円ドル為替レートを107.5円/ドル。1バレル=159リットルとして計算)

40ドル/バレル=40×107.5円/ドル/159リットル=27円/リットル

つまり、原油価格が40ドル下がると、ガソリンの原価は27円下がることになる。原油価格が40ドル/バレル下がったのと同じ期間に、ガソリンの小売価格は20円くらい下がったので、あと7円くらい下がる余地があるというところであるが、それほど大きな額でもない。

ガソリン原価が小売り価格に反映されるまでのタイムラグがあるから、7円くらいの誤差もあるだろう。

つまり、原油代がいくら下がっても、固定費は下がらないのでその分は値下げしようがないということなのだ。

3.ガソリンコストの内訳

では、ガソリンコストに占める固定費にはどんなものがあるのだろうか。ちょっと古いデータだが、日本エネルギー経済研究所の調査によると、ガソリンのコスト構成は以下のとおりである(2011年9月現在)。https://eneken.ieej.or.jp/data/4158.pdf

ガソリンの小売価格  147円(100%)

この内訳は
  原油コスト    56円(38.1%)
  精製マージン   17円(11.5%)
  流通マージン   13円( 8.8%)
  揮発油税、消費税 61円(41.5%)

つまり、ガソリン小売価格147円のうち、原油代が56円で約4割を占める。

残りが固定コストというわけであるが、約1割(11.5%)分が精製マージン。つまり石油会社の取り分で、同じく約1割(8.8%)程度が流通マージン。おおざっぱに言ってガソリンスタンドの取り分ということになる。

もちろん、石油会社の取り分といっても、これには、製油所の運転コストや従業員の給与などが含まれるし、ガソリンスタンドの取り分といっても、この中からガソリンスタンドの維持費や人件費などを負担しなければならない。

石油会社やガソリンスタンドの取り分は意外に小さいと言うことに気づかれただろうか。

そして、ガソリン小売価格のコスト構成で一番大きいのは、揮発油税(ガソリン税)や消費税といった税金である。

4.問題は揮発油税(ガソリン税)と消費税

揮発油税はガソリン1リットルあたり53.8円。業界人はこれを「ゴミや」と覚えるが、しかし税金なんて「ゴミや~」といえるほど小さくはない。

それに消費税がかかる。今は10%、上記のデータは8%の時のものだから、消費税の割合は、現在はもっと高くなっている。

そもそも揮発油税は従価税と言って、従来は値段にリンクしていたので、原油価格が下がると揮発油税も下がっていた。それが、1951年から重量税になって、原油の値段が上がろうが下がろうが、1リットルあたり24.3円となった。それからずっとこの税率である。

おやっと思われた方もいらっしゃるかもしれない。揮発油税って53.8円(ゴミや)じゃなかったのかと。

実は、法律上の揮発油税の税率は確かに24.3円だけれど、1974年から一時的な処置だから我慢してねというわけで税金が上乗せ(暫定税率)されて、53.8円になっている。そして、その「一時的な処置」がなんと46年間も続いて、現在に至るというわけである。

さらに、消費税が10%かかる。この消費税は、原油代、精製マージン、流通マージンだけではなく、揮発油税にもちゃんと10%かかる。つまり、本体価格だけではなく、53.8円という揮発油税という税金にまで10%の消費税を払えということ。

揮発油税というお国のために払ったお金なのに、「あんた税金を払ったんだからその税金にも消費税を払いなさい」というわけの分からんことになっている。税金は法律決めたんだから、理屈じゃない。ごちゃごちゃ言ってないおとなしく払えということらしい。

5.で、ガソリン価格は100円まで下がるか?

ということで、ガソリンには揮発油税や消費税という税金がかけられていて、その税率はガソリン小売価格の4割以上という高率である。そして、その税金は原油の値段にかかわらず一定。

だから、原油の値段がどんどん下がって行っても、少なくとも税金分(53.8円+消費税≒68円)は小売価格から下げることはできないから、値下げには限界がある。
(上の図に示すように、原油代が下がっても税金など他のコストは下がらない)

ということで、原油価格が2ドルとか3ドルとか、タダ同然にまで下がらない限り、昔のように1リットル100円を切ることはないだろう。(ちなみにガソリン100円時代の消費税は5%だった)

2020年4月4日


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