読むだけでスラスラわかる高校化学基礎 (4)周期表を覚えよう

この世界の中には何億種類もの物質があるが(いやもっとあるかもしれないけど数えることは不可能なので)、そのすべてが90種類くらいの原子からできている。原子の重さを原子量というよ。というころまで、前回はお話をしました。

その原子にはそれぞれに番号が振ってある。そうしないと管理できないからね。ファンクラブの会員番号みたいなもんだね。ファンクラブナンバー1番の水素Hです。とか。ファンクラブナンバー8番の酸素Oです。とかいう具合に。

当然だけど、原子番号は、ひとつの元素に対して1つずつきちんと決まっている。
でも、実は昔は、ところどころ原子番号に空きがあったんだ。例えば原子番号31のガリウムGaから、1個飛ばして、次の原子番号は33のヒ素Asになっていた。原子番号32は空席だったわけ。

このように原子番号に空きがあると、化学者たちは「ははあ、これは未知の元素があるな」と考えた。それで化学者たちが一所懸命空きのある原子番号32元素を探し出していったらその元素が発見された。そうやって、今はすべての空席が埋まってしまったというわけ。

ちなみに原子番号32の元素はゲルマニウムGeと名付けられた。発見した人がドイツ人だったからドイツの古い国名のゲルマンからつけられたんだ。ちょっと話が飛ぶけど、278番目の元素(人工的に作られた元素のひとつ)は日本人が発見したんでニホニウムと名付けられる予定だよ。

周期表

その元素を原子番号順に並べたらどうなるか。メンデーエフというロシア人の化学者が面白いことに気が付いた。原子番号1番の水素Hから20番のカルシウムCaまで順番に並べたら8番目ごとに同じような性質の元素が出てくるのだ。(このときは原子番号という考え方がなかったから、メンデーエフさんは原子量の順番に並べたんだけどね)

例えば、原子番号3番のリチウムLiとそれに8を足した原子番号11のナトリウムNa、それに8を足した原子番号19のカリウムKは、いずれも銀白色の柔らかい金属で、水に入れるとぶくぶくと水素を出す性質がある。

原子番号2のヘリウムHeと原子番号10のネオンNe、18のアルゴンArはいずれも気体で、ほとんど化学反応をしないという性質がある。これも原子番号が8ずつ増えているよね。2と10と18だからね。

そして、原子番号21番以降は、今度は18ごとに同じような性質が現れる。
それでメンデーエフさんは、この関係を整理して一覧表にしてみたのが、周期表(または周期律表)といわれるとっても役に立つ表だ。ファンクラブのメンバー表みたいなもんだね。


この周期表を全部覚える必要はもちろんない。けど、この周期表のだいたいの形と、原子番号1番から20番までの元素名は覚えておくこと。覚え方はあとで説明するね。

周期表の形

まず、この周期表をざっとみてほしい。劇場やスポーツの観戦チケットには席の番号がふってあるよね。例えばCの15なら、ああ僕の席はC列の15番目だなって分かる。それと同じで、周期表にも列と順番が付けられているんだ。

周期表の一番上の行を見てほしい。1から18の番号が振ってあるよね。これは縦列の番号で、「族」というんだ。一方、左端には縦に1から7の番号が振ってある。この番号は行の番号なんだけど「周期」という。つまり、周期表の列は族、行は周期という。

例えば、原子番号1の水素Hの席は第1周期の第1族。アルミニウムAlの席は第3周期の第13族といった具合だ。

元素の覚え方

ではいよいよ、元素のうち原子番号1の水素Hから原子番号20のカルシウムCaまで、順番に覚えていこう。これは、丸暗記するのはむつかしい。だから昔から語呂合わせで覚えることになっているんだ。
その語呂合わせは

「水兵リーベ、ぼくの船。なな曲がるシップス、クラークか」 だ。

簡単簡単。一度覚えたら一生忘れない。意味はつぎのとおりだ。

すい(水素H)
へい(ヘリウムHe)
りー(リチウムLi)
べ (ベリリウムBe)
ぼ (ホウ素B)
く (炭素C)
の (窒素N、酸素O)
ふ (フッ素F)
ね (ネオンNe)。
なな(ナトリウムNa)
まぐ(マグネシウムMg)
ある(アルミニウムAl)
しっ(ケイ素Si)
ぷ (リンP)
す (硫黄S)、
くら(塩素Cl)
ある(アルゴンAr)
く (カリウムK)
か (カルシウムCa)

リーベというのはドイツ語で恋人という意味。だからこの語呂合わせの意味は「水兵さんの恋人は僕の船だ。7回曲がる船(シップ)はクラーク船長のふね(だろう)か」という意味。
(この語呂合わせには、いろいろなバリエーションがあります。ぼくの船がほかの船。七曲がるがソー曲がる。になったりします。)

典型元素と遷移元素

あまり面白くないけど、典型元素と遷移元素という元素の分類方法についても覚えておこう。周期表のうち、縦の列で、1族と2族、それにちょっと飛んで13族から18族に入る元素を典型元素という。そして、それ以外の元素、つまり3族から12族に入る元素が遷移元素だ。これは周期表を見て確認しよう。

典型元素は、周期表で縦の関係が強いという特徴がある。前にも説明したように、例えば18族の元素はみんな気体で、ほとんど化学反応を起こさない。1族の元素はプラスイオンになりやすいとかね。(イオンについてはあとで説明します)

一方、遷移元素は横の関係が強い。例えば、鉄Fe、コバルトCo、ニッケルNiは周期表では横一列につながっていて、いずれも金属で、磁石にくっつくという性質を持っている。といった具合。

ということで今日のお話はおしまい。最後にみんなで復唱しよう。皆さんご一緒に!

「水兵リーベ、ぼくの船。なな曲がるシップス、クラークか」

2021年7月14日