「体を包むような異常な暑さを感じるのですが、私だけでしょうか?昔と比べて日差しに爽やかな感じが無くなった感じがします。地球温暖化とは少し違う現象のように感じますが…」
ネットを見ていたらここ数年の夏の暑さについて、こんな感想を書いている人を見かけた。このねっとりした暑さは、単に地球温暖化だけではないのじゃないかという感想である。
そこでハタと気づいたのだが、むしろ、この不快さも地球温暖化の特徴ではないかと思えてきた。つまり、地球温暖化はただ気温が上がるだけではなく、このような不快感を伴う現象なのではないかと。
地球温暖化はよく、地球上空にCO2の層のようなものができて、それが熱線(赤外線)を反射して地球が温かくなるようなイメージ図が掲載されていることがあるが、実はこれは間違いである。
地球温暖化はこのようなCO2の層に熱が反射し起こっているわけではなく、我々の周りの空気中のCO2が増えて、それが熱の発散つまり赤外線を遮ってしまうことで起きている。
わかりやすく言えば、私たちの身の回りの空気中のCO2が増えて、それが断熱材のような働きをして、地球から出ていく熱を遮っているから気温が上昇している。つまり温室効果というのは上空何万mというような遠い世界の出来事ではなく、私たちの身の回りで起こっている現象なのだ。
温室効果は、その理屈から考えて、単に地球という物だけで起こることではない。地球上のあらゆる熱源が温室効果の影響を受けて、冷えにくくなっているはずである。
ひるがえって、私たち人間も約36℃の体温を持つ熱源である。私たちの体からも当然、赤外線が出ている。その赤外線が出ることによって体は冷やされているから、空気中のCO2が増えて、私たちの体から出る赤外線が遮蔽されてしまうと私たちの体は冷えにくくなっているはずである。

同じような現象に湿度の影響がある。湿度が低いと爽やかに感じるが、これは私たちの体から出ている汗が蒸発しやすくなって、体が冷やされるからで、逆に湿度が高いとなかなか体温が下がらず、まとわりつくような不快な暑さを感じる。
これと同じように空気中のCO2が増えれば、私たちの体は温室効果によって冷えにくくなるから、ちょうど湿度が高くなったときのような不快感を覚えることになるだろう。
人間の体温に対する温室効果がどのくらいなのか、人間が感じることができるのかは分からないが、人間の体温は地球の平均気温よりも高いから、赤外線の量も多く、したがって温室効果も大きいはずである。
空気中のCO2は地球の気温を上げるだけではなく、人体への不快感も増加させているのではないだろうか。
2025年9月2日