地球温暖化の原因が理解されにくいのは、逆転の発想が必要だからだ

ここ数年、今まで経験したことのない暑い夏が続いている。これには複数の原因が挙げられているが、どの原因を取ったとしても地球温暖化という気温の底上げがなければ、あり得ないと言われている。この酷暑に限らず、地球が温暖化していることは、さまざまなデータから明らかである。

その地球温暖化はCO2のような空気中の温室効果ガス濃度が上昇していることが原因であることは、既に疑う余地がないこととされている。しかしながら、そうではないと反論する人たち、あるいは納得できないと主張する人たちを見かけることがある。

これは恐らく、地球温暖化の原因は常識とは逆の発想をしなければならないからであろう。つまり、地球は加熱されて温暖化しているわけではなく、冷えにくくなったから温暖化しているのである。

一般的な常識として、物の温度を上げるには加熱しなければならない。お湯を沸かそうとすれば、水をやかんに入れてガスや電気で加熱しなければならない。地球温暖化もこの常識で言えば何らかの原因で加熱されているはずだと考える。その結果、太陽活動の活発化が原因だとか、原子力発電所の排熱が原因だとか。あるいは、空気中にわずか0.04%しかないCO2が原因だとは考えられないと主張する人たちがいる。

しかし、科学者たちが主張する温暖化の原因は、地球が加熱されているわけではなく、冷えにくくなっているということ。つまり加熱しなければ熱くならないという常識とは違った、いわば逆転の発想なのだ。これを理解しないとわずか0.04%しかない温室効果ガスの増加が地球温暖化の原因だという理屈が腑に落ちないということになる。

地球は太陽光で温められ、暖められた地球は赤外線を出して冷えていく。そのバランスで地球の平均温度は決まる。地球が温暖化する原因は地球が受ける太陽光エネルギーが強くなったか、赤外線が出にくくなって冷えなくなったかであるが、前者については大きく変化がないことが観測によって分かっている。

では冷えにくくなったのか。そのとおり、空気中のCO2濃度が増加しているから、地球は冷えにくくなったのである。CO2濃度が増加していることは、これも観測によって明らかになっているし、CO2が赤外線を吸収して再び熱に変えることも実験によって明らかになっている。

一方、先に例に挙げた原子力発電所などから排出される熱については、人間が発生させているその他の全ての熱を加えても、太陽光の1万分の1にしかならない。確かに人工的な熱でも気温は上昇するが、温室効果ガス量が一定であれば、すぐに冷えて地球の気温は一定になってしまう。

また、CO2の空気中濃度はわずか0.04%であるが、赤外線を遮って地球の冷却を防ぐという機能にはそれで充分な濃度なのである。

科学者たちは、地球温暖化について様々な原因を調べ、観測してきたが、結局この単純な理論に行きついてしまったということである。ただ、温度は加熱しなければ上昇しないと常識にとらわれていると、この理論は理解し難い。地球は加熱されて温暖化しているのではなく、冷えにくくなって温暖化しているのだと。

2025年8月24日

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