コーヒーフレッシュは石油から作られている? いろいろ悪評があるが…

コーヒーに入れるコーヒーフレッシュ。小さなプラスチックの容器に入っていて簡単にコーヒーに入れて楽しむことができます。私はコーヒーを飲むときはいつも砂糖を入れず、コーヒーフレッシュだけを入れています。

でも、このコーヒーフレッシュ、ネットで検索してみると、ずいぶん悪い評判が出てきます。例えば、つぎのような例です。

  • コーヒーフレッシュは牛乳じゃない
  • 腐らないので食べ物じゃない
  • 着色剤を入れて白くしている
  • 成分の一つである乳化剤は石油から作られている
  • コーヒーフレッシュは添加剤のかたまり
  • 成分の植物油を作るときに石油が使われている
  • トランス脂肪酸が含まれていて発がん性がある

中には、コーヒーフレッシュは石油が原料だという記事もみられました。これらの評判は本当でしょうか。検証してみました。
ちなみに、この記事はコーヒーフレッシュのメーカーからお金を貰って書いているわけではありません。お金をくれるというのなら拒みませんけどね(笑)。


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コーヒーフレッシュは牛乳じゃない

これは本当です。成分表を見てみると、植物油脂、砂糖、脱脂粉乳/カゼインNa、乳化剤、pH調整剤、香料、酸化防止剤(ビタミンC)となっています。確かに牛乳は含まれていませんね。

コーヒーフレッシュの成分表

コーヒーフレッシュは植物油を水に混ぜたものなのですが、植物油と水を混ぜただけでは、簡単に植物油と水が分離してしまいます。正に「水と油」の関係ですね。だから乳化剤を入れて分離しないようにしています。

つまりコーヒーフレッシュは、簡単に言えば植物油と水を混ぜ、これに乳化剤を加えて分離しないようにしたもの。ということで牛乳でも石油でもありません。サラダドレッシングに近いかもしれません。

ちなみに、植物油の代わりに石油(灯油)を使っても乳化剤を入れれば、コーヒーフレッシュと同じような白色の液体になると思います。ただし、石油を使うと石油臭くて、とても飲めたものじゃないでしょう。無理やり飲むと胃の粘膜を刺激し、嘔吐、胃痛、下痢等の症状を起こすといわれています。

(なお、石油を飲み込んだ場合は、肺に入りやすく、肺に入ると肺組織の内出血、肺水腫、化学性肺炎等を起こすことがあります。胃に入るより肺に入る方が危険なので、石油を飲み込んだら無理やり吐かせないで、至急医師に診てもらうようにしましょう)

腐らないので食べ物じゃない

牛乳やクリームは腐れやすく、冷蔵庫に保管しておく必要があります。これに対してコーヒーフレッシュは常温で保管しても腐りません。そのため、防腐剤や保存料が入れてあるのではないかとか、そもそも腐らないような物が食品なのかと心配される方もいます。

でも成分表には防腐剤も保存料も書かれていませんね。酸化防止のためにビタミンCが入れられているくらいです。

コーヒーフレッシュが腐らないのは、実はあたりまえのことなのです。それは、主成分が牛乳ではなく植物油だからです。牛乳は冷蔵庫に保管しますが、植物油は常温で売られているし、常温で保管しても腐りませんよね。

そもそも腐ると言うのは、細菌類の作用によってタンパク質が分解し、人体に有害な物質が発生するという現象です。牛乳にはタンパク質が含まれているので腐りますが、コーヒーフレッシュの主成分である植物油にはタンパク質が含まれないので腐らないというわけです。

ちなみに、コーヒーフレッシュには砂糖も含まれていますが、これも大丈夫。常温で保管していても砂糖が腐ったというのは見たことがありませんよね。腐らない食品があってもおかしくはないということです。

着色剤を入れて白くしている

コーヒーフレッシュの主原料は植物油と水ですが、どちらも白くはありません。植物油は黄色味を帯びていますが光を通し、向こう側が透けて見えます。水はもちろん透明です。一方、これらを混ぜて作ったコーヒーフレッシュは透明ではなく、美しい白色です。

そのためコーヒーフレッシュには白い着色剤が入っている。着色剤は石油から作られていて危険だという人もいます。しかし、成分表を見ても着色剤とは書かれていません。それは着色剤を入れなくても、油と水をよく混ぜてしまえば、自然に白く濁るからです。

コーヒーフレッシュを顕微鏡で見ると細かい粒状の物が浮かんでいるのが見えるでしょう。この粒状の物が植物油です。コーヒーフレッシュは油と水が完全に混ざり合っているわけではなく、水の中に油が細かい粒になって浮かんでいる状態になっています。このような状態をエマルジョンと言います。

(同じエマルジョンでも、水の中に油の粒が浮かんでいる状態を水中油滴型、油の中に水の粒が浮かんでいる場合は油中水滴型といいます。コーヒーフレッシュは水中油滴型です。)

植物油も水も、どちらも光を当てると透過してしまいますが、エマルジョン状態になると、水と油の粒の境目で光が屈折したり、反射したりするため、乱反射して光が混ざり合って白くなるのです。(絵の具は混ぜ合わせると黒くなりますが、光は混ざると白くなります)

コーヒーフレッシュを拡大したところ (光が植物油の粒に当たって乱反射する)

実は牛乳が白いのもこれと同じ理屈です。牛乳は乳脂肪が水の中に細かな粒となって混ざっています。つまりエマルジョンです。このため光が屈折したり、反射したりして白く見えるのです。コーヒーフレッシュは乳脂肪の代わりに植物油が使われているという違いがありますが、白い色をしている原理は同じです。

成分の一つである乳化剤は石油から作られる

既に述べたように、コーヒーフレッシュは植物油と水の分離を防ぐために乳化剤が加えられています。この乳化剤とは界面活性剤、すなわち洗剤と同じ。界面活性剤は石油から作られると言う人もいます。本当でしょうか。

コーヒーフレッシュの成分表のうち、脱脂粉乳/カゼインNaと乳化剤と書かれているのが乳化剤です。このうち、脱脂粉乳/カゼインNaというのは、いわゆる脱脂粉乳のことです。脱脂粉乳の成分のほとんどはカゼインというタンパク質なので、このような表現になっています。

脱脂粉乳は牛乳から脂肪分を取った残りで、天然の乳化剤ですから、石油から作られたものではありません。牛乳がエマルジョンになっているのは、このカゼインが乳化剤の役割を果たしているからです。

乳化剤と書かれているものについては、一般にはショ糖脂肪酸エステルやグリセリン脂肪酸エステルなどが使われます。ショ糖脂肪酸エステルは砂糖(ショ糖)に植物油から作られた脂肪酸をエステル結合させたもの。グリセリン脂肪酸エステルは油脂から得られたグリセリンと同じく油脂から得られた脂肪酸をエステル結合させたもので、いずれも石油から作られたものではありません。

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確かに洗剤には石油から作られたものがあります。洗剤は界面活性剤の一種、乳化剤も界面活性剤の一種。だから乳化剤も石油から作られているという三段論法で説明している記事も見られますが、食品に使われる乳化剤は石油から作られたものではありません。

ちなみに、そもそも乳化剤という名称が気に入らない。乳化という言葉は、まるで牛乳が原料であるかのように消費者をごまかしている。はっきり界面活性剤と言うべきだという人もいます。

しかし、乳化あるいは乳化剤という言葉は学術的にもよく使われている用語で、消費者をだますために敢えて使っているわけではないでしょう。いろいろ難癖をつけてコーヒーフレッシュを非難したい人がいるようです。 

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コーヒーフレッシュは添加剤のかたまり

コーヒーフレッシュは牛乳ではない。いろいろな添加剤を混ぜ合わせて牛乳もどきを作った添加剤のかたまりに過ぎないという人もいます。しかし、先ほども書いたように、コーヒーフレッシュの主原料は植物油と水と乳化剤です。あと砂糖が加えられていますが、これは添加剤とは言えないでしょう。

添加剤としては、pH調整剤、香料、酸化防止剤(ビタミンC)が添加されていますが、量的にはわずかですから、「添加剤のかたまり」というのは言い過ぎでしょう。いうならコーヒーフレッシュは「植物油と水のかたまり」と言うべきです

pH調整剤とは、変色防止や腐敗防止を目的に食品のpHを弱酸性に保つために加えるもので、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸などが使われていますが、いずれも無害なものです。

ビタミンCには酸化防止剤作用があるので、酸化防止剤として添加されています。原料の植物油は酸化によって変質する傾向があるからですが、ビタミンCも言うまでもなく害はありません。

香料は2500種類くらいあるといわれていますので、コーヒーフレッシュにはどんな香料が使われているかはわかりません。天然のものもあるでしょうし、合成されたものもあるでしょう。その中には石油から作られたものがあるのではないかと言われれば、その可能性はあります。

しかしながら、香料は1万分の1パーセント程度の極少量で、その役割を果たすことができます。合成香料も臭い付けのために添加するなら問題ないとされています。それに香料が入れられている食品はコーヒーフレッシュだけではないですよね。

植物油を作るときに石油が使われている

植物油の原料となる植物を油糧植物と言います。確かに一部の油糧植物から植物油を取り出すときに石油系の溶剤が使われることがあります。大豆油が代表的です。

大豆は油分が少ないので、ただ絞っただけでは食用油はあまり出てきません。ですから大豆の油分をヘキサンとよばれる溶剤に溶かして取り出すという操作が行われます。ヘキサンの原料はガソリンで、水素化精製という操作によって不純物を完全に取り除いたあと、蒸留操作によってヘキサン分だけがガソリンから取り出されます。

このようにして作られたヘキサンは、確かに毒性があります。しかし、元がガソリンですから非常に蒸発しやすいという性質があり、食用油を抽出したあと蒸発させて完全に除去されます。

もっと詳しくいうと、植物油をヘキサンで抽出すると、抽出油には数パーセントのヘキサンが含まれます。これを水蒸気蒸留によって0.1から1%程度になるまで除去し、さらに脱色工程前の乾燥工程でほぼゼロまで蒸発され、さらに脱臭工程でヘキサンは完全に除去されることになります。
(太田静行「食用油脂の安全性について」,油化学誌,第22巻 第4号 p259(1974)より)

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このように、一部の植物油では抽出工程で石油系の溶剤が使われていますが、溶剤は製品の植物油からは完全に除去されてしまいますので、石油成分はまったく残っていません。もし、石油系の溶剤が残っているのなら、それはコーヒーフレッシュだけでなく、植物油全体の問題ということになります。

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トランス脂肪酸が含まれていて発がん性がある

コーヒーフレッシュにはトランス脂肪酸が含まれていて発がん性があるという人もいます。トランス脂肪酸はLDLコレステロールを増加させて心血管疾患のリスクを高めるといわれています。

特にマーガリンを作る工程のひとつである水素化工程でトランス脂肪酸が副生するため、マーガリンには比較的多量のトランス脂肪酸が含まれており、問題となっています。

トランス脂肪酸は日本では規制されていませんが、例えば、アメリカのニューヨーク市では、「飲食サービス事業者は、1人前当たり0.5 g以上のトランス脂肪酸を含む部分水素添加植物油脂、ショートニング、又はマーガリンを含む食品を、保管、使用又は提供してはならない。」と規制しています。

ではコーヒーフレッシュにもトランス脂肪酸は含まれるのでしょうか。
コーヒーフレッシュは植物油と水を混ぜただけなので、マーガリンのような水素化工程がありません。したがってトランス脂肪酸が製造工程で作られるということもありません。

ただし、トランス脂肪酸はマーガリンだけでなく、一般の油脂にはもともとわずかに含まれている物質です。したがってコーヒーフレッシュにもわずかながら含まれている可能性はありますが、他の油脂類に比べて特に多いということはありません。

あるコーヒーフレッシュのメーカーがトランス脂肪酸含有量を0.0%にした製品を発売したところ、それを聞いたある人が、0.0%ということは0.04%を四捨五入したことだってありうると言い出し、これを受けて、コーヒーフレッシュには0.04%のトランス脂肪酸が含まれているという話がネットで広まっています。

メーカーの公表は0.0%であり、0.04%だと言っているわけではないのに、0.04%という架空の数字がネット上で独り歩きしているという状態になっています。

と言っても、規制の厳しいニューヨーク市でもトランス脂肪酸は一食あたり0.5g以下と規制しているわけですから、それに比べれば0.0%だろうが、0.04%だろうがコーヒーフレッシュ1ポーション(4.5g)あたりに含まれるトランス脂肪酸の量はとるに足らない量に過ぎません。

ちなみにトランス脂肪酸が問題になっているのは、LDLコレステロールを増加させ、その結果、動脈硬化を起こして心筋梗塞や脳梗塞を発症させるリスクが高まることが問題であり、発がん性が問題になっているわけではありません。

食品成分の有害性が問題になると、すぐに発がん性があると誤解してしまう人が多いようです。

まとめ

以上述べてきたように、コーヒーフレッシュがほかの食品と比べて、特に有害ということはありません。おそらく見た目が牛乳に似ているので、原料が牛乳ではないと知ると、騙されたと考える。そのためいろいろな悪評が立っているのではないでしょうか。

コーヒーフレッシュは主成分が植物油という油脂ですから、摂取しすぎると、コレステロールを増やしたりすることも考えられるので、過剰摂取は控えた方がよいでしょう。しかし、コーヒーに加える程度なら特に気にするほどのことはないと思います。

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