石油ショック

フランス革命前夜。宮廷では次のような会話が行われたそうです。

執事「奥様。庶民は貧しくてパンも食べられません」
奥様「パンが食べられないのなら、ケーキを食べればいいじゃない」

おそらく、この奥様は自分でお金を出してパンやケーキを買ったことのないお嬢様だったのでしょう。

実は、このような会話は、1973年に起こった石油ショックの時にも行われたそうです。

「奥様、アラブ諸国が石油の輸出を止めてしまうので、石油を使うことができません」
「石油が使えないのなら、電気を使えばいいじゃない」

当時、発電所の燃料の大半は石油でした。だから石油が止まってしまうと、電気も作れなくなる。この奥様はそのことをご存じなかったのでしょう。

私が子供のころ、社会科見学で発電所を訪問したことがありました。そのとき所長さんが、「当所は石炭火力発電所として建設されたけど、今は最新式の石油火力発電所に作り替えました」と自慢げに話されていました。

当時小学生の私としては、石炭でも石油でもどっちでもよかったのですが、発電所の所長さんとしては、石油という時代の先端を行く発電所の所長であることが誇らしかったのでしょう。

そのころ、日本の発電所はそれまでの水力発電や石炭火力発電からどんどん石油火力発電に転換されていき、石油ショックが起こった1973年当時は、石油による発電量が全発電量の72.3%。つまり全発電量の4分の3ほどが石油火力だったのです。

ですから、そのころは中東の石油が止まると電気も止まることになりました。石油ショックが起こると、これは大変だと大騒ぎになり、節電が呼びかけられた結果、繁華街からネオンサインが消えたり、エッチな番組構成で視聴率の高かった深夜番組が、午前0時で打ち切りになったりしていました。

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石油が止まっても電気は止まらない

では、今でも中東の石油が止まると電気も止まるのでしょうか?そう思っておられる方も意外に多いようですが。でも大丈夫、今は中東の石油が止まっても電気は止まりません。

石油ショックの反省から、日本は政策的に石油依存度を下げていきました。その結果、現在の日本の電力のうち石油火力によるものは10%以下(9.3%)まで下がっているのです。

日本の発電量の推移(資源エネルギー庁「エネルギー白書2018」

これなら、石油が止まっても、石炭や天然ガスを少し多めに使えばいい。あるいは、(あまりやってほしくないけれど)今停止している原子力発電所を急いで動かせばいい。そうすれば石油火力がなくなった分くらい簡単に補充できるのです。

「石油が使えないのなら、電気を使えばいいじゃない」
が正解。

もちろん、日本の石油の約88%が中東から輸入されていますので、中東の石油が止まると大変ではあります。特に自動車用の燃料が心配になります。プラスチック原料のナフサも日本で使用される量の約4割を中東から輸入していますから、これも影響を受けます。

ただ、日本には石油の備蓄が200日分以上ありますから当面問題ありません。産油国も石油輸出代金が国の超重要な財源ですから、いつまでも輸出を止めるわけにもいかないのです。

ちなみに、中東で何か事件が起こると、石油を止められるのではないか。石油が止まったら日本はつぶれる。自衛隊を派遣しろ。などと勇ましいことを言う人がいます。

しかし、実際問題として日本から護衛艦や対潜哨戒機を派遣したところで、中東諸国の戦いを止められるはずもなく、日本のタンカーを1隻残らず守っていくことも難しいでしょう。

中東の石油が止まっても、電気は問題ない。200日分以上の備蓄もある。中東以外の国からの輸入を増やすこともできる。中東で事が起こっても、ここは冷静に外交で解決してほしいと思います。

(2020年4月15日)

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