高校の化学 どうやって勉強するのがいいのか

高校生になって化学を本格的に学ぶことになります。中学でもだいたい勉強しているのですが、急にむつかしくなる。

生物学なら木や草や動物が近くにいる。地学ならすぐ近くに土や石があるし、空を見上げれば太陽や星がある。とっても具体的ですよね。

ところが、化学は抽象的。原子だとか分子だとか見えないものを理解しなければなりません。そして、それに煩雑な計算がでてきたり、化学式を覚えたり。

ここで興味を失ってしまう人もいるではないでしょうか。だって、どんな化学反応が起こるのかなんて知って何になる。それがどうだっていうの。何の役にも立ちやしない。そもそも、どうしてこんなに分かりにくいのっ!て思ってしまいます。

なぜ高校で化学を学ぶのでしょうか。

化学というのは人間が長い間に積み重ねた知恵と経験のかたまりです。だから、化学は一面では脈絡のない断片的な知識を積み上げです。なぜなら、人間の知恵とか経験はもとより断片的なものだからです。

だから、専門家でも化学のすべてを理解している人はいないと思います。ある人の専門は無機化学、ある人は合成化学、ある人は物理化学という具合。例えばプラスチック合成の専門家は、酵素化学が全く分からないかもしれない。

高校の化学はこういった断片的な知識や経験を網羅して少しずつ教えることになっているので、一層分かりにくくなっているのです。

とはいっても、実は化学は抽象的な科目ではなく、とっても実用的な、生活にも役に立つ科目なんです。なぜなら、私たちの身の回りはすべて化学でできているから。ええ、実はそうなんです。例えば、

あなたが朝起きて、朝食のパンを食べるとき、そのパンのでんぷんが唾液や胃の中の酵素によって分解されて糖になり、体に吸収されている。

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バスに乗って通学するとき、バスの燃料の軽油は空気中の酸素と結合して二酸化炭素になる。この時出る熱によってバスは走っている。

雨が降り出した。これは空気に溶解していた水分が、寒気と接触して溶解できなくなり、析出して空に浮かぶ。これが雲。雲の中の水滴どうしがファンデルワールス力や水素結合力によって凝縮し、重力によって落ちてくるのが雨。

あまり意識していないかもしれませんが、実は私たちの身の周りは化学だらけ。世界は化学であふれているのです。化学を知れば天下無敵。私たちの周りで起こっていることの大半は化学で説明できるのです。

化学は、遠い宇宙の果ての話をしているわけではないし、虚数などという実在しない数字を扱っているわけでもない。何千万年前の地層の話をしているわけでも、ましてや人間はどう生きるべきかなどという高邁な話をしているわけでもありません。

化学で学ぶことは、みんな私たちの生活の中に密着しているのです。だから泥臭い。化学は理論より事実を重んじます。いくら優れた理論があっても、それが現実と一致しなければ意味がありません。

だから理論があっても、例外があったりします。いちいち覚えていかないといけないこともあります。「これはこうだろう」と予想しても、事実が違えば事実の方が尊重されます。だから例外も覚えなければならない。

ではどう勉強すればいいのか

高校時代、私も無機化学は全然面白くなかった。覚えることばかり。そんなもん覚えてどうするのと思いました。でも、これはひとつひとつ覚えていかなければ仕方がないのです。実は見かけほど覚えることは多くはないのです。

例えば、カルシウムがでてきたらこんな反応。硫黄がでてきたらこんな反応と、だいたい決まっているのです。

教科書や問題集に出てきた物質や化学式や反応をその都度覚えていくと、だんだん馴染みがでてきて、楽しくなってきます。

化学基礎。ボイルの法則とかシャルルの法則とか。これはむつかしくて、私も挫折しそうになりました。で、とにかく理解しようと思った。単に公式を丸暗記するのではなく、それが何を意味しているのかを実際に頭の中で実験してみるといいと思います。

あ~、こんな簡単なことなんだと理解できると思います。大切なことは、式を丸暗記するのではなく、その式が何を意味しているか理解すること。そうすれば、式を覚えていなくても、問題が解けるようになります。

有機化学は無機化学と違って、とっても体系づけられています。体系を覚えれば全体が面白いほど分かってきます。

最後に、化学を面白くするコツは、今習っていることが私たちの生活にどのようにかかわっているのかを常に考えることです。

「先生、これ私たちの生活にどんな役に立つのですか」と質問してみればいい。先生が答えられなければ、先生といっしょに考える。そうすれば、無味乾燥のように見えるこの科目に断然興味がわいてくると思いますよ。

2021年6月8日

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