水や空気で走る車がすでに実用化されている? 無理

先ほど、近くのガソリンスタンドにガソリンを入れに行きました。ノズルを注入口に差し込み、グリップを握ると、ゴオンゴオンとかすかな音がして、景気よくガソリンが愛車に送られていきます。それと同時にガソリン料金を表すデジタルメーターも景気よく増えていきます。やがて満タンを迎えると数千円のガソリン代。

そのとき、多くの人が思うでしょう。「自動車がガソリンではなく、水で走ったらどんなに素敵だろう」と。そうなれば、いちいちガソリンスタンドまで行く必要がなく、庭先の蛇口からホースで燃料タンクに水を入れればいい。第一ガソリン代に比べれば水道代なんてタダ同然じゃないか。

だから、水で走る車を発明したという話が出てくると多くの人たちが関心を示します。水でなく、てんぷら油やお酒で走る車というのもありますが、やはり人々の関心を引き付けるのは、ありふれた水で走る車ではないでしょうか。

でも、そんなにうまい話があるのでしょうか。

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1.結論

  • 水はエネルギーポテンシャルの非常に低い物質なので、これからエネルギーを取り出して車を走らせることはできない
  • 水から水素を取り出してこれを燃料にして車を走らせるという方法は、水素を取り出すときのエネルギーが、使う時のエネルギーより必ず大きくなるので原理的に無理
  • アルミニウムを使って水から水素や電力を取り出す方法が提案されているが、副生する水酸化アルミニウムの再生のために、使ったときより多くのエネルギーを必要とする

2.水で走る車の例

いままで水で走る車を発明したという話はあとを絶ちません。いくつか例を挙げてみましょう。

緑の液体:私が子供のころ(つまりは50年くらい前)に、少年マガジンか少年サンデー(そのころジャンプはまだなかった)に載った話。水に緑色の液体を一滴加えて、よくかき混ぜて、その水を車に入れると車が走り出すという。ただしその後、発明者は突然行方をくらましたため、緑色の液体が何だったのかわからないという。

スタンリー・メイヤーの発明: 1970年代、アメリカのスタンリー・メイヤーという人物が発明したという水だけで走る車。かれはアイデアを特許化したあと出資者を得て研究を進め1998年に試作品の完成まで漕ぎつけた。
ところが、そのお祝いの席で出されたジュースを飲んだところ、急に苦しみだして死んでしまった。試作車はユーチューブでも公開され、メイヤー自身が原理を説明していますので、皆さんも見ることができます。

ガソリンに水を混ぜて走る:水だけではく、ガソリンに水を混ぜて走るというものあります。筆者も1990年代にアメリカのネバダ州で水を使って走る自動車というものを調査(というより見学)に行ったことがあります。
機密保持書類にサインをさせられたあと、ガソリンに水を混ぜた燃料を見せられ、実際に車に乗せてもらいました。その会社はベンチャー企業ですが、アメリカの有名な建築機械メーカーが出資していて、エンジニアが派遣されていました。しかしながら、いまだに実用化されたという話を聞きません。

ウォーターエネルギーシステム社:2008年に大阪にあるウォーターエネルギーシステムという会社が水で走る車を開発し、マスコミを集めて公開実験をしました。その状況はテレビ東京のWBSでも紹介されたため、ご覧になった方もいらっしゃるでしょう。
そういえばあれはどうなったのでしょうか。水で走る車を開発したという会社は、現在所在不明になっているそうです。

水だけで走るバイク:2015年には、ブラジルで水だけで走るバイクが発明されたといいます。発明した男性によれば、バッテリーの電力で水を電気分解することによって、水素を分離し、その水素をエンジンで燃焼させることで走行するそうです。

ルノー・日産の空気アルミニウム自動車:水と空気を燃料にして走行する「空気アルミニウム電池自動車」の開発がルノー・日産グループによって進められています。2017年には実用化される予定であると言われましたが、2019年8月現在、まだ実用化したという話は聞きませんね。
この技術は、従来のガソリンの替わりに普通の水をタンクに給水し、アルミニウムと反応する際に生じる電力をエネルギーとして利用するというものだそうです。

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3.陰謀説

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このように昔から水で走る車が開発されたという話はいろいろと聞きますが、実用化されたものは今のところ、一つもないようです。(実は実用化されているが、私たちが知らないだけかもしれませんが。)

これらの例の多くは、開発途中で発明家が死んだり、行方不明になったり、あるいは会社がつぶれたりして、立ち消えになっています。これはどうしてでしょう。

石油利権を失いたくない誰かが、発明者を暗殺したり、脅迫したり、圧力をかけてプロジェクトを潰したりした、などという物騒な話がささやかれています。つまり陰謀によって、発明が潰された。特に、②の例では発明者がジュースを飲んだあとすぐに苦しみだして死に至ったというのは、まさに陰謀の匂いがぷんぷんしますね。

だれの陰謀でしょう、石油メジャー、ある国の政府機関、アラブの石油王、ロックフェラー財団、フリーメイソンなどなど候補を挙げる人もいます。ガソリンではなく、水で自動車が走るようになったら石油で大儲けをしている人たちが困る。だから実用化される前に殺してしまえ、潰してしまえ。

そうやって、水で走る車が潰されてきた。だから私たちは、ガソリンという液体を高い金を出してガソリン会社から買わなければならないのだ。という話。

そういう話は正直言って、私も嫌いではないです。ただし、石油で大きな利権を得ている皆さん、ご安心ください。そんな乱暴なことをしなくても、水で自動車が走るというのはどうやっても無理なのです。
ガソリン消費者の皆さんがっかりしてください。水で走る自動車はどうやっても作れません。

4.水だけで車を走らせるのは無理

水だけで車を走らせるのは無理です。その理由を一言でいえば、

「ガソリンはエネルギーポテンシャルがメチャクチャ高いが、水はエネルギーポテンシャルがメチャ低いから」

ということです。
車はガソリンを燃やして走りますが、燃えるというのはガソリンが酸素と結合し、その結果、水(水蒸気)と炭酸ガスになるという反応です。ガソリン+酸素のエネルギーポテンシャルは大変高く、水+炭酸ガスのエネルギーポテンシャルは低いのです。

ガソリンは空気と混ぜられたあと、シリンダーに送り込まれ、その中で電気火花を使って着火されて燃焼が起こります。この燃焼によってガソリン+空気(中の酸素)という非常にエネルギーポテンシャルの高い状態から、水(水蒸気)+炭酸ガスというエネルギーポテンシャルの低い状態に一気に変化します。

トータルのエネルギーは変化しないという原則がありますから、シリンダー内でエネルギーポテンシャルが下がった分だけ、熱エネルギーが発生します。

つまり、シリンダー内のエネルギーポテンシャルの差が主に熱というエネルギーになるわけです。この発生した熱エネルギーによって、シリンダー内の燃焼ガスの温度が上がります。

温度が上がると燃焼ガスが熱膨張して、その圧力でピストンを押し下げ、これによってエンジンが回転して車は走ります。

つまり、ガソリンエンジンはガソリン(+酸素)というエネルギーの高い状態から、水(+炭酸ガス)というエネルギーの低い状態を作ることによって、その差のエネルギーでエンジンが動いているわけです。(下図参照)

もし、水で車を走らせようとすると、水からエネルギーを取りださなければなりません。

このためには、水をもっとエネルギーポテンシャルの低いものに転換する必要がありますが、水はこれ以上エネルギーの低い状態にはならないので、水からエネルギーを取り出すのは不可能ということになります。

5.水から水素を作ればいいというアイデア

水を使って車を走らせることに成功したと主張する発明家の多くは、水から何らかの方法によって水素をとり出し、その水素を使ってエンジンを動かしているという説明をします。

確かに水ではなく水素なら、エネルギーポテンシャルが高いので、これを燃やせばエネルギーを得ることができます。水素を燃やせば、また元の水にもどります。

しかし、そうはうまくいきません。なぜなら、水から水素を取り出すとき、すなわち水を分解するには大きなエネルギーが必要となるからです。水から水素を取り出すときのエネルギーは水素を燃やして水を作るときに得られるエネルギーと原理的に同じになります。

例えば、ある量の水素を燃焼させた時に、100Jのエネルギーが得られるとすると、その水素を水から取り出すときには必ず100J以上のエネルギーを消費するのです。だからプラマイゼロ。水から走行エネルギーを取り出すことはできません。(下図参照)

この関係は、どんな方法を使おうが、いくらシステムの効率を良くしようが、変わりません。

もし水素を作るときのエネルギーが水素を燃やした時のエネルギーより小さいなら、水素を燃やして水を作り出してエネルギーを取り出し、そのエネルギーを使ってその水を分解して水素を作り、その水素を燃やして水を作ってエネルギーを取り出し…と繰り返していくことが可能となります。

これによって永久にこのサイクルは続き、エネルギーをこのサイクルから取り出すことができることになります。このようなサイクルは第一種永久機関といわれ、現代科学では不可能とされています。

永久機関が不可能であることを認めるならば、水素を取り出すエネルギーは水素を燃やして得られるエネルギーと同じかそれ以上でなければならない、ということになります。(水素は海水から取り出せば無尽蔵のエネルギーになる?参照)

6.水で走る車についての考察

以上のような議論を前提にして、すでに提示した①から⑥の事例について考察してみましょう。

緑の液体:のっけからすみません。この話は、昔マンガ本に載った記事で、真偽自体が不明ですので論評しようがありません。考察は割愛させていただきます。ていうか、昔はこんな話が多かったという例です。

スタンリー・メイヤーの発明:ユーチューブで発明者自身が、水で走る車の原理を説明しています。それによると何らかの方法で水を分解して水素を作って、これをエンジンで燃やしていることのことのようです。発明者が死んでしまったので、どんな方法で水を分解するかよくわかりませんが、だとしても、水を分解するには必ずエネルギーが必要になります。

メイヤーのシステムは非常に複雑で、説明を聞いただけはよくわかりませんが、バッテリーなども搭載しているはずなので、そのバッテリーで水を電気分解しているのではないでしょうか。とすれば、この自動車は水ではなく、バッテリーで走っているということになります。

ガソリンに水を混ぜて走る:これはエンジンピストンに特殊な触媒が取り付けられていて、その触媒によって水を分解して水素を作っていると説明されています。いわゆる水蒸気改質という反応で、触媒によって水の分解を促進することはできます。

しかし、触媒というのは反応を早めたり、遅くしたりするだけで、エネルギーの量には影響を与えません。シリンダー内で水素を作れたとしても、その時、大量のエネルギーを消費しますので、出来上がった水素が燃えて得られるエネルギーを相殺してしまいます。

結局、ガソリンの燃焼エネルギーだけで車は走り、水は単に水蒸気になって排気されているだけでしょう。

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ウォーターエネルギーシステム社:企業秘密が多くて内容がよくわかりませんが、記者との質疑応答の中で、「水にアルミ粉末を主体としたティーバッグのようなものを入れて水素を取り出すわけですね。…基本的な考え方は同じようなものです。」と答えているところから、アルミ粉末によって水から水素を取り出していると推察されます。

アルミ粉末に水を加えると水素が発生することはよく知られていて、消防法ではアルミ粉末は水を加えてはいけない物質=第二類危険物として指定されているくらいです。

この方法では確かに水から水素を取り出すことができますが、一方でアルミ粉末が水酸化アルミニウムに変化していきます。搭載したアルミ粉末がすべて水酸化アルミニウムに変わってしまったら、いくら水を補給しても、この車は動けなくなってしまいます。

つまり、水が車を動かす動力源となっているわけではなく、アルミ粉末が水酸化アルミニウムに転換するときのエネルギーポテンシャルの差を使っているに過ぎないということです。

水だけで走るバイク:これはもう明らかです。バイクにバッテリーを積んでいて、このバッテリーの電気で水を電気分解して水素を得て、その水素を燃料にしてエンジンを動かしています。水で動いているわけではなく、バッテリーに蓄えられた電力で走っているといった方がいいでしょう。

ちなみに内燃機関の熱効率は20~30%くらい、電動モーターの効率は80%くらいありますので、バッテリー電力で直接モーターを回してバイクを走らせた方が、水素を作ってエンジンで燃やすより効率的だと思いますがね。

ルノー・日産の空気アルミニウム自動車:空気アルミニウム電池についても、④と同じようにアルミニウムを使います。ただ、水を分解して水素を発生させるわけでなく、空気中の酸素と水と、陽極に使われたアルミニウムが電気化学的に反応して電力を発生させ、この電力でモーターを回して進む自動車です。

この場合も④と同様に、アルミニウム電極が水酸化アルミニウムに変わっていきますので、電極のすべてが水酸化アルミニウムになってしまうと、いくら水を補給しても走行できないことになります。この場合も、水が車を動かす動力源となっているわけではありません。

このように、上の例はいずれも水だけで走っているようにみえますが、実際には水が自動車を動かす動力源となっているわけではなく、水から別のエネルギー源によって水素を取り出し、あるいは電力を取り出して、その水素や電力で走っているに過ぎません。

※アメリカ海軍が海水から水素を取り出して燃料を製造し、艦船を航行させる技術を開発したかのような報道が行われていますが、この報道には間違いがあります。この報道については別途、議論することにしたいと思います。(アメリカ海軍は海水から燃料を取り出す技術を開発した?を参照)

 

7.空気アルミニウムについての補足

④と⑥についていえば、アルミニウムが水と反応して水酸化アルミニウムに変化するときのエネルギーポテンシャルの差を利用しています。したがって、水からエネルギーを取り出しているとは言えません。水で走る車というより、アルミニウムを燃料として走る車と言った方が適切でしょう。

このような車を継続的に走行させるには、適宜、水酸化アルミニウムを取り出し、新しいアルミニウムを充填しなければなりません。水は水道の蛇口からでも補給することができますが、アルミニウムの補給はそういうわけにはいきませんので、ガソリンスタンドならぬアルミニウムスタンドみたいなものが必要となります。

また、取り出した水酸化アルミニウムをどうするかも問題です。そのまま捨てるというのが、一つの案ですが、廃棄物処理場がすぐに満杯になってしまうでしょう。ルノーでは取り出した水酸化アルミニウムをまたアルミニウムに戻すことを考えているようです。

水酸化アルミニウムをアルミニウムに戻すことは物理的に可能ですが、この場合は、車が走った時に消費したエネルギーと同じエネルギーが必要となります。つまり、自動車が走るために必要なエネルギーを、水酸化アルミニウムを再生するためのエネルギーにそっくり付け替えているに過ぎないということです。

ちなみに、従来の自動車はガソリンや軽油を使って走行していますが、その結果、水と炭酸ガスを排出しています。この場合、生成した水と炭酸ガスは空気中に捨てているわけで、再生はしていません。だから経済的に成り立っているのです。

ただしその結果、空気中の炭酸ガスが増えてきて、地球温暖化の原因になっているわけで、これはこれで問題なんですがね。

2019年8月7日

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水や空気で走る車がすでに実用化されている? 無理」への8件のフィードバック

  1. J

    通りがかりです。
    水からガソリンの話はクレージーキャッツの映画にもありますね。
    題名は「だまされて貰います」です。
    それっぽいですね。

    返信
    1. takarabe 投稿作成者

      記事を読んでくれてありがとうございます。
      クレージーキャッツの映画にありますか。知りませんでした。面白そうな映画ですね。
      私も企業の研究所勤務のときは水がガソリンになるとか、似たような話を随分持ち込まれました。
      これは詐欺ですよと話しても、なかなか納得してもらえなかったことを思い出しました。(笑)
      今後も、いろいろと情報を教えてください。

      返信
  2. a student

    記事読みました。納得です。
    最近良くネットで、『揉み消された水で走るクルマ』というワードを見かけるので、一体何なんだろうと思っていましたが、なんだ、外からエネルギー加えてんじゃん、という感想ですね〜。
    軽金属のエネルギーポテンシャルを利用するのも現実的ではないですね。
    土に水を加えて泥んこにしたら大きな水和エネルギーが効率よく得られた!なんてことがあれば、資源も豊富でどこにでも捨てられるんですけどね〜。難しい問題です。

    返信
    1. takarabe 投稿作成者

      a Studentさん記事を読んでいただきありがとうございます。
      水和エネルギーですか。面白いですね。でも水和物を捨ててしまうとやっぱり何か問題が起きそうな気がします。例えば、再生可能電力(グリーン電力)を水和物の再生に使う(結果的に電力の貯蔵ということになる)ということで、水和エネルギーの活用ができませんかね。

      返信
  3. 匿名

    衝撃的すぎて言葉がでません。
    微分や積分やっても意味がないという人の発言の反証のような出来事でしょう。
    日経も定期的に永久機関が発明されたことが掲載される楽しい新聞ですが、官民一体になってこのような詐欺にお金を使うのは、教育の敗北といえるでしょう。

    水と大気中のCO2等から生成する人工石油(合成燃料)を活用した実証実験を支援します
    2023年1月10日

    ページ番号:588970

     大阪府、大阪市、大阪商工会議所で構成する「実証事業推進チーム大阪(以下「推進チーム」という。)」は、サステイナブルエネルギー開発株式会社が実施する実証実験を支援します。
     同社は、本市が実証フィールドとして提供する花博記念公園鶴見緑地において、水と大気中のCO2等から生成する人工石油(以下「合成燃料」という。)による発電システムの構築に向けた実証実験を実施します。
     特殊な光触媒を用いて、水と大気中のCO2からラジカル水(化学反応を起こしやすい活性化水)を作り、ラジカル水に大気中のCO2と種油(軽油、重油、灯油など)を反応させることで、種油と同じ組成である合成燃料を連続的に生成することができます。(種油は、初回のみ鋳型として使用するだけで、2回目以降は、合成燃料を種油の代わりとして使用できる。)
     合成燃料は、大気中のCO2を炭素源として生成されることから、化石燃料と違ってカーボンニュートラルな燃料として期待されます。
     実証実験では、生成した合成燃料により発電機を稼働させ、電気自動車へ充電します。また、発電時の硫黄酸化物等の大気汚染物質の排出状況等を確認するとともに、発電能力の安定性を検証することで、今後、連続運転に対応できる機器の開発につなげます。
     今後も推進チームでは、大阪における新たなビジネス創出など環境・エネルギー産業の振興をめざし、実証支援の取組を進めていきます。

    返信
    1. takarabe 投稿作成者

      匿名さん コメントありがとうございます。
      まったくおっしゃる通りだと思います。こういう「発明」はときどき現れては消えていきますが、今回は大阪府や大阪市が支援していると誇らしげに宣伝していることは、とっても恥ずかしいことだと思います。以前、山本五十六まで騙されたという事件があったそうです。すこしちゃんとした専門家に意見を聞けば、すぐに分かることだと思いますがね。

      返信
  4. KIN

    大変良く纏められていて面白く読ませて戴きました
    まんまと騙されてしまいそうな方々にも分かり易く親切丁寧に解説されていて且つ似非が飽く迄も似非に過ぎず幾ら科学を装っても偽科学非科学に他ならない事も騙しの小道具である特許書面等迄用いて指摘されているのは専門的な知見を有する向きに対しても単に物理法則に反するとか理論的にに有り得ないと云う一言で切り捨て御免に終わらせない姿勢は素晴らしいです

    正気で無欲ならば理科が苦手な小学生でも騙され無い様な如何様に良い歳の大人が簡単に騙されるのですから振込め詐欺は無くなりませんね

    還付金に限らず受取る側がATMを操作する送金手続なんか此の世に存在しませんと幾ら告知した処で騙される方には自分が騙される迄は他人事なんですね

    ⑦に前後する時期で花火の打ち上げはルノ―日産の後なので⑧として加筆して欲しいのが十年経って熱りが冷めたと見たのか自分ならばもっと上手く騙せると考えたのかは判りませんが④の丸パクリで手広く詐欺を展開するエネコのグループです

    少しものが解る人間ならば説明を訊く時間すら無駄に感じる古典的な水燃料の与太話が我が国は数年から十数年と云う特に短い間隔で繰り返されるのは実に残念な事です

    ところで①の手口は内燃機関の黎明期から存在して今日の様な情報共有が難しかった時代には繰り返し使われてきた恐らくは最も古典的な水の燃料化に関する詐欺の方法です

    具体的にはジメチルケトン通称アセトンを使います
    緑色の着色は無意味な演出で気分次第で何色でも構わないし勿論無色透明の場合も多いと思います

    観ている方は魔法を見せられて居る様な感覚に成りますし実際機関は作動して車ならば動きますから騙されるなと云うのが無理な位で勿論其の場で成分分析なんか出来ませんから種明しを知らない限り何を調べられても絶対に絡繰は解りませんから鉄板の手口だったのです

    返信
    1. takarabe 投稿作成者

      KINさん 記事を読んでいただき、また過分なお褒めの言葉までいただき、ありがとうございます。
      今でもときどき水で走るとか、光を当てると水が石油に変わるとか、そんな話がでてきて、世の中の人を騙していますが、たいへん残念なことです。
      ①の緑色の液体はアセトンでしたか。アセトンなら水にも溶けるので納得です。長年の疑問が解けました。

      返信

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