無料レジ袋は本当に無料なのか

最近、またレジ袋が無料配布に戻るのではないかという話を聞くようになった、桜田義孝衆議院議員がレジ袋無料化について新環境相に相談したと明かしている。
レジ袋有料化の旗振り役とみなされていた小泉進次郎氏が環境相を外れ、山口壮氏が新環境相となったことで、今後の動向に注目が集まっていた。といっても環境保護のために始めた政策を環境大臣自らがもとに戻すのか。世界がレジ袋有料化に向かう中、日本だけがまた無料に戻しますというわけにもいかないだろう。

それはともかく、以前レジ袋は無料だったわけであるが、それは本当に無料だったのだろうか。レジ袋無料とはいっても結局その代金は店側で負担していた。顧客にとって無料でも、店側にとっては無料ではない。
レジ袋を無料で配布すれば、その分、店の収益が減ることになる。店の収益が減った分、結局は従業員やアルバイトへの賃金が減らされ、あるいは商品の価格に何らかの形で上乗せされることになる。あるいはレジ袋購入負担が必要経費扱いとなって国に支払う税金が減ることになる。レジ袋が無料とはいっても、結局、まわりまわって国民が何らかの形で負担しているのだ。

相変わらず、ネット上では、レジ袋の原料となるナフサは石油精製時にどうしても出てくる余り物であるかのような論調がまかり通っている。どっかの大学の先生が言うように、ナフサが余れば捨ててしまうようなものであるなら、原料はタダだから無料でもいいじゃないかということになりそうだが、これは事実を見ていない。実際はナフサは捨てるどころか、わざわざお金を出して外国から買っているのだ。

日本は高度成長期にエチレンプラントを次々に建設していった。その結果、一時期深刻なエチレンの過剰生産能力を抱えることになった。そのエチレンの用途のひとつがレジ袋だったわけである。建設したエチレンプラントの稼働率を上げるためにエチレンが大増産され、その原料のナフサが足りなくなって、輸入までするようになり現在は輸入の方が国産品よりもずっと多くなっているというのが実態なのだ。
つまり、余っているのはエチレンでありナフサではない。それをナフサが余っているからエチレンが増産されていると多くの人が勘違いしている。

レジ袋自体は無料ではない。たとえ無料で配布されたとしても、それが回りまわって結局、国民の負担になっていることを忘れてはいけない。物は大事に使おう。タダだからと言って無駄に使えば、それは環境にとっても、経済にとっても、資源にとってもいいことは何もない。