ハロウィーン事故(群衆雪崩)からどうやって身を守るか 半身の姿勢で脱出する

20日午後10時ころ、韓国ソウルの繁華街、梨泰院の路地にハロウィーンのイベントで集まった大勢の人たちが折り重なるように倒れ、150人以上が死亡するという大惨事が起こった。このような事故は群衆雪崩と言われ、2022年10月にインドネシアのサッカー試合後の暴動時にも発生しており、2015年にはサウジアラビアのメッカ郊外でも。日本では2001年7月に明石市の歩道橋で起こっている。

このような群衆雪崩は今後も起こる可能性がある。では、このような現場に巻き込まれたら、どうやって身を守ればいいのだろうか。まず第一に人が密集する場所には近づかないことだろう。しかし、いつの間にか群衆に巻き込まれてしまうこともある。

この場合も、危険と感じたらできるだけ早く群衆から抜け出すことである。しかし、ソウルの事故のように狭い路地に体が浮き上がるほど密集した状態では抜け出すことが難しい。

このようなに状態に巻き込まれたときは、半身の姿勢(はんみのしせい)をとることを提案したい。半身の姿勢とは、左足を半歩前に出し、膝を曲げて腰を低くし、上半身を右にねじった姿勢である。(右足を半歩前に出した時は上半身を左にねじる)両手は腰のあたりに置き、やや前かがみになる。

この姿勢で、左肩を人と人の隙間に入れながら進んでいく。群衆の中では、まっすぐ進もうとしても大きな抵抗にあって進めないが、半身の姿勢だと意外に進んでいけるのである。これは船の先がとがっているのと同じで、人に対する面積が狭くなって抵抗が減るためである。こうやって、群衆から脱出する。

半身の姿勢あるいは半身の構えは、分かりやすく言えばボクシングのファイティングポーズだ。半身の姿勢はボクシングだけでなく相撲、合気道で使われ、サッカーでも最近使われるようになってきた。体が安定し、前後に動きやすくなる態勢である。

また、半身の姿勢を取っておれば、群衆が倒れだした時にも身体の重心が低いため倒れにくくなり、倒壊の圧力を受け流すこともできる。また、前かがみの姿勢であれば倒れるとしても前倒れになり、胸や腹などが圧迫されるのを避けて呼吸の確保が容易になるだろう。

いずれにしても、このような群衆の中には入らないように心がけるとともに、群衆に巻き込まれたらできるだけ早く脱出することを心がけたい。

2022年10月31日

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