未分類」カテゴリーアーカイブ

またひとつ「石油」の文字が消えた JPECの名称変更 「脱石油」?に進む石油会社

一般にはあまり知られていないが、石油業界の関連団体に「石油技術センター(JPEC)」という組織がある。その団体が今年4月から名称を変更した。新しい名称が「カーボンニュートラル燃料技術センター」。あれ? 石油業界の団体なのに「石油」の文字が消えた。

JPECとは

JPECは1986年の設立。このときは「石油産業活性化センター(略称PEC)」と称していたのだが、その後「石油技術センター」に名称が変わっている。その役割は、「石油及び石油産業に関する技術開発。調査研究及び情報収集。エネルギー供給構造の高度化促進。地球環境の保全とエネルギーの安定供給の確保」とされる。

つまり、石油に関する技術開発や調査研究、情報収集が仕事である。このほかにも原油調達の安定化を目的としてアラブ諸国など産油国との共同プロジェクトなども行ってきたが、こちらの仕事はJCCP(国際石油・ガス・持続可能エネルギー協力機関)という組織に移管されている。

JPECの本部は東京都江東区にあり、他に基盤技術研究所と北米、欧州および中国にそれぞれ駐在員事務所を置く。JPECは一般にはあまり知名度は高くないが比較的大きな組織なのだ。賛助企業には石油元売り各社やエンジニアリング会社、触媒・添加剤会社、自動車工業会など石油に関連した企業が名を連ね、所属職員も大半は賛助企業からの出向である。

その組織が2024年4月1日付で名称を変更。その名も「カーボンニュートラル燃料技術センター」となった。

おや?「石油」の文字が消えた。ただし、英文はJapan Petroleum and Carbon Neutral Fuels Energy Center (略称JPEC)。英文ではカーボンニュートラル燃料(Carbon Neutral Fuels)が付け加えられたが、石油(Petroleum)の文字は残っている。

今後、石油に関する従来事業に加えて、新たにカーボンニュートラル燃料の技術開発プラットフォームとしての機能を追加するという。

石油会社の社名から「石油」が消えている

今回、石油業界団体のひとつから「石油」の文字が消えたが、実は従来から石油会社名から「石油」の文字はどんどん減ってきている。

1980年代、日本の石油元売会社は15社あった。その15社のうち、出光興産を除く14社にはすべて社名に「石油」が入っていた。日本石油、共同石油、大協石油、丸善石油、エッソ石油などだ。年配の方にはお馴染みの名前も多いだろう。

今日の石油産業(石油連盟)2023より

しかし、これらの元売石油会社は合併や統合を繰り返し、そのたびに社名から「石油」の文字が消えていったのだ。1992年には共同石油と精製会社の日本鉱業が合併してジャパンエナジーに、 2010年には新日本石油とジャパンエナジーが合併してJX日鉱日石エネルギーに、そしてそのJXが東燃ゼネラルと合併してENEOSに。また、昭和シェル石油が出光興産と合併して昭和シェル石油の名前が消滅という具合である。

現在は1986年以降、合併や統合をしていないコスモ石油と、1980年代から他社との合併・統合をまったくやっていないキグナス石油および太陽石油が「石油」という名を残している。といっても、キグナス石油と太陽石油の売上高は合わせても全体の4%程度でしかないから、日本の石油業界はENEOS、出光、コスモの3社に統合されていると言っていいだろう。

石油会社から「石油」が消えた理由

なぜ、石油会社から「石油」という文字が消えていったのか。それは石油だけがビジネスの会社ではなくなった。あるいは石油という名前がついていると石油以外のビジネスには進みにくいということだろう。そして合併や統合によって社名を変えるとき、これを好機として石油という文字をなくしていった。ということだ。

例えばENEOS(ENEOSホールディングス)は次のような事業を行っている。

  • ENEOS:石油製品の製造販売
  • ENEOSマテリアル:石油化学製品の製造販売
  • JX石油開発:石油天然ガスの開発・生産
  • JX金属:非鉄金属、半導体材料の製造販売、金属リサイクル
  • ENEOS Power:電力の販売
  • ENEOSリニューアブルエナジー:太陽光発電、風力発電、バイオマス発電

出光興産の場合は

  • 燃料油:石油製品の製造販売
  • 石油化学:エチレンの生産
  • 高機能材料:電子材料、エンジニアリングプラスチック、農薬等の生産・販売
  • 資源開発:石油・天然ガス開発、地熱発電
  • 電力:太陽光発電、風力発電、バイオマス発電

単なる石油の精製販売だけではないことが分かるだろう。
もちろん、現在のところ石油関連事業が事業の柱であることは間違いないが、2000年頃から少しずつ石油以外の事業にも手を広げ始めてきた。恐らく、このころから石油の時代は盤石ではない。やがて終わるかもしれないという危機感があったのだろう。そして、それは現実のものになりつつある。

2024年6月22日

【関連記事】
カーボンニュートラルな未来は石油使用禁止? 私たちの暮らしはどうなる
石油産業はこれからどうなるのか 脱炭素社会で石油系燃料が売れなくなったら
製油所がどんどん閉鎖されている 最後まで残る製油所はどこか予想してみた
今、石油の時代が終わろうとしている IEAの最新報告書より
石油最大手ENEOSの歴史は合併の歴史 電力業界、ガス業界のとの統合はあるか
脱石油が進むとプラスチックは使えなくなるのか? バイオ化学コンビナートの提案(1)

未来のガソリンはこうなる? 出光、ENEOS、トヨタ、三菱重工が検討を開始

2024年5月27日。出光興産、ENEOS、トヨタ、三菱重工の4社はカーボンニュートラル(以下「CN」)社会の実現を目指して自動車の脱炭素化に貢献する「CN燃料」の導入・普及に向けた検討を開始したと発表した。

今後、日本の自動車市場におけるCN燃料の導入や制度について議論・検討することや、エネルギーセキュリティ、製造の実現可能性を調査するとしている。ただし、具体的にどのような燃料になるのかは明らかではない。

この記事では、この4社が中心となって進める「未来のガソリン」はどのようなものになるのかについて予想してみたい。

未来のガソリンに必要な2つの要素

未来のガソリンには次の二つの要素が必要となるだろう。

  • カーボンニュートラル(CN)であること
  • 現在のガソリンエンジンがほぼそのまま使えること

このうち、①についてはプレスリリースでも言及されているが、②も当然のことであろう。未来のガソリンは、従来のような出力が大幅に向上しますとか、エンジンをきれいにしますとかいうことを売りにしたガソリンではない。未来のガソリンは地球に優しい燃料でなければならない。

わが国をはじめとして米国や欧州など主要国は2050年までにカーボンニュートラルを達成するという目標を掲げている。その目標を達成するために電気自動車(EV)が推奨されているわけであるが、CN燃料を使えば従来のガソリン車でもCNが達成できるというところがミソだ。

また、各国は2035年までに従来のガソリンや軽油を使った小型車両の販売を禁止する計画があるが、それが厳格に実施されてもすでに販売されている車は廃車になるまでは走り続ける。そういう車でもCN燃料を使えばCO2排出はゼロとみなせる。そこがCN燃料の強みのひとつだ。だから未来のガソリンはCNであるだけでなく、現在のガソリン車にそのまま使えることが条件となる。

候補はふたつ

ではどんな燃料が想定されているのだろうか。上述の4社のプレスリリースでは合成燃料系とバイオ燃料系を挙げている。合成燃料というのはCO2と水素を原料として作られた燃料だ。

すでにポルシェなどが支援するHIFという会社が空気中のCO2と水を電気分解して作った水素からガソリンを作るプラントを完成させている。e-fuelと言われるものだ。この会社は出光興産と提携契約を結んでいるから、これが候補の一つとなるだろう。

一方、わが国のグリーンイノべ-ション基金でも合成燃料の開発を行っているが、その中心となっているのがENEOSだ。また、三菱重工はCO2の回収装置については世界トップシェアを誇る企業だ。

もうひとつのバイオ燃料系であるが、ガソリンの代替となるのがバイオエタノールだ。これはサトウキビやトウモロコシを原料として作られるが、農業廃棄物や木材などのセルロース系原料からも製造できる可能性がある。

バイオエタノールをガソリンの代替にする方法については拙著「なぜバイオエタノールはガソリンの代わりになるのか」に詳しく書いているので、興味のある方はご覧いただきたい。

現在のガソリン車で使えるか

次に問題になるのが、そのままガソリンエンジンで使えるかという点である。

ポルシェなどが開発しているe-fuelはMtG法という方法で作られており、製造されたガソリンは現在のガソリンとほぼ同じ品質を持つといわれているから、このままガソリンエンジンで使うことができるだろう。

一方、 ENEOSなどが開発している方法はFT合成法といわれる方法であるが、そのままでは現在のガソリンエンジンでは使えない。アップグレードと呼ばれる操作がうまくいけば現在のガソリンと同等のものが作れるだろう。

バイオエタノールについては、現在でもガソリンに3%まで混合して使用することが可能で、車種にもよるが、10%までは問題ない。しかし、高濃度のバイオエタノールを使うには、それ専用の車両が必要となる。トヨタは昨年、100%バイオエタノール燃料でも走行できるハイブリッド車をブラジルで発売している。であれば現在の車両そのままでは無理でも若干の手直し程度で高濃度のバイオエタノールが使えるようになるだろう。

出光興産はバイオエタノールを脱水してエチレンにしたあと、オリゴメリゼーションという方法で液体燃料とする技術の開発を行っている。主な生産物はジェット燃料であるが、この技術を使ってガソリンを製造することも可能であろう。

未来のガソリンは少しずつ変化する

つまり、合成燃料系でもバイオ燃料系でも、若干の工夫をすれば現在の自動車でもほとんどそのまま使えるガソリンができそうだということである。ただし、当初は従来のガソリンにCN燃料を混ぜて使うことになるだろう。

そして、本当に現在のガソリン車でも問題がないか確認しながら、少しずつCN燃料の割合を増やしていくという地道な作業が行われるだろう。EVのように一気に全く新しいものを導入するというのとは対照的である。

そして、最終的には、既存のガソリン車を使いながら、従来のガソリンと何の違和感もなくそのままCN燃料が使えるというのが理想である。

【関連記事】
合成燃料はまだ幕下? ガソリンからアンモニアまで自動車燃料の番付表を作ってみた
2026年からF1で義務付けられる先進型持続可能(カーボンニュートラル)燃料とは何か? 未来の自動車燃料になるのか
HV+バイオ燃料という選択肢でエンジン車は生き残る
ENEOSが2027年に新ハイオクガソリンの販売を計画 ガソリンなのに脱炭素?
EVの代わりにポルシェが薦めるe-fuel 実はとんでもないところで作られていた
カーボンニュートラル燃料(CN燃料)とはなにか
バイオ燃料は本当にカーボンニュートラルなのか いくつか条件がつくが…
CO2を増やさない合成燃料 e-fuelとは何か × アウディ、ポルシェ、トヨタも参入
グリーンイノベーション 再生可能な合成燃料(ディーゼル、ジェット)の開発戦略
再生可能合成燃料/水と空気と光で作る燃料(バイオ燃料編)

不凍液殺人事件 エチレングリコールって何だ

東京都台東区のマンションで今年(2024年)2月、不凍液などを飲ませて4歳の少女を殺害した疑いで少女の両親が逮捕された。さらに2018年に父親の妹も急死しているが、これも警視庁は不凍液による殺人とみて2人を再逮捕している。

不凍液の成分はエチレングリコールという化学物質だが、市販されていて、だれでも購入することができる。エチレングリコールとはどんなものなのか、簡単にまとめてみた。

エチレングリコールは無色透明(不凍液として販売されるときは緑色やピンクなどに着色されている)の可燃性のある液体だ。国内では石油を原料として年間50万トン以上が生産される化学業界ではかなりありふれた化合物である。

そのうち、不凍液として使われるのは10%程度で、主な用途はペットボトルとしておなじみのPET樹脂や合成繊維(ポリエステル)の原料である。ペットボトルやポリエステルの原料といっても、樹脂や繊維になってしまえば毒性はまったくなくなるので心配する必要はない。

しかし、エチレングリコール単体では経口毒性があって、致死量は大人の場合で111g(既存化学物質安全性評価シートより)だ。かなり大量に飲まなければ死には至らないものの、甘みがあるので毒性があるとは気づかずに飲んでしまうことがある。

実際に、誤飲や飲料水への混入による多くの死亡例が報告されており、死因は急性の中枢神経系の機能不全および肝臓障害によるとされている。

化学的にはグリコール類という部類に入る。グリコール類とはヒドロキシ基(-OH)という部分が2個以上ある有機化合物で(-OHが1個のものはアルコール類)、その中で最も小さい分子が炭素数が2のエチレングリコールだ。炭素数3のものはプロピレングリコール、エチレングリコールが2個くっついた形をしたものはジエチレングリコールとよばれる。

この3つはいずれも水に溶かして不凍液として使用することができる。
プロピレングリコールは毒性が低いため、医薬品や化粧品にも使われているが、ジエチレングリコールはエチレングリコールと同様に毒性がある。このジエチレングリコールは1985年頃、甘みやまろやかさを出すためワインに添加されて販売されていたことから問題になったことがある。

わが国では不凍液はエチレングリコールが使われているが、このような毒性のあるものが一般に市販されているということは問題だろう。不凍液としては、もっと毒性の低いプロピレングリコールを使うべきだと思う。

2024年3月7日

トヨタのHV販売好調、EVは不調 だからといってEVはダメとはならない理由

最近、トヨタのHV(ハイブリッド車)の売れ行きが好調で、その一方でEVの売上が振るわないというニュースが広がっている。

REUTERの記事によると昨年(2023年)1月から11月までの米新車登録台数に占めるHVの割合は9.3%で、EVを1.8ポイント上回ったという(S&Pグローバル・モビリティのデータ)。

EVの大手メーカーであるテスラ社は売上不振を受けて米国、中国を含む主要市場で昨年から大幅な値下げを実施したが、その結果、利幅が縮小しているという。

これを受けて、日本のマスコミやネット上ではそれみたことかEVなんて普及するわけがないとか、やはりトヨタは正しかったとかの論調がみられる。YouTubeなんか「EVはオワコン認定」とか、「EV失速」とか、「EV産業の末路」とか、そんな過激な記事であふれている。

しかしながら、このHVの好調は一時的なものでしかなく、長い目でみればとEV化は確実に進んでいくだろう。

EUは一昨年(2022年)、2035年までにCO2を排出する新車の販売を禁止すると発表している。これを受けて日本のマスコミは、EUがエンジン車を全て廃止するとか、EV以外は認めないとか報道をしている。

そして、EUがe-fuelの使用を容認すると、EUがエンジンを認めたとか、EUが方針を撤回したとか、やはりEUはEV化は無理だと気づいたかとか、の報道が見られた。しかし、そもそもEUはエンジン車を認めないと言っていたわけではないから、この報道は間違っている。

まず、EUが発表した内容を確認してみよう。この発表の内容は要約すると以下のとおりだ。

  • 2035年までにCO2を排出する乗用車および小型商用車の新車販売を禁止する
  • 2030年までに2021年比で乗用車で55% 、小型商用車で50%のCO2排出量を削減する

つまり、EUは地球温暖化の原因となるCO2の排出量を規制しているのであって、エンジン車を禁止するとか、EVでなければならないとは一言も言っていない。そして、2030年に乗用車で55%のCO2排出量を削減するという中間目標を立てている。

つまりEUは一気にEVにしなさいとか、エンジン車は廃止だとか言っているわけではなく、あくまでも目的はCO2排出量の削減であり、そのための方法はカーメーカーが考えなさいということ。そして2030年の中間目標は55%の削減ですよ、それに向かって努力してくださいといっているわけである。

これは日本でも同様で、第6次エネルギー基本計画では2030年に運輸部門全体でCO2排出量を35%減らすという中間目標が掲げられている。

つまり、将来的には自動車からのCO2排出はゼロにする。そのための手段としてEVやe-fuelがある。ただし、現在は中間目標に向かってCO2の排出量を削減していく段階にある。

中間目標はCO2の削減であってゼロではないのだから、EVにこだわる必要はない。といっても純ガソリン車や欧州で普及率の高いディーゼル乗用車では中間目標を達成することは難しい。だからHVという選択になる。ということだ。

今のところ、EVは値段が高く、充電にかかる時間が長い割には航続距離が短いという欠点がある。それなら、今のところEVでなくてもHVの方がいい。しかし、2035年のCO2排出量をゼロにするにはやはりHVでも目標達成はできない。そのころにはEVの性能も上がってHV並みになっている可能性もある。

ということでHVの好調はこれからずっと続くわけではなく、いつかはEVに置き換わっていくことにならざるを得ないだろう。

渚に佇んで、寄せては返す波を見ていても潮が満ちているのか引いているのかはわからない。と同じように、一時的なHVの販売好調をみて、EVはだめだということにはならないということだ。

それにしても、トヨタの新型プリウスはかっこいい。これなら売れると思う。しかし、この好調に甘んじず、トヨタは次のEV化に向けて走り出してほしい。当然、考えていることだろうけど。

2024年2月12日

災害時に役に立つのはやはり石油 エネルギー供給の「最後の砦」

能登半島地震

今年1月1日、16時10分頃、非常に大きな地震が能登半島を襲った。最大震度は7。被害状況はまだ確認されていない部分があるが、この記事を書いている1月25日時点のまとめでは死者223名、負傷者1,284名、住宅の全壊、半壊合わせて16,000棟以上に及ぶ激甚災害であった。

このような災害が起こったとき、まず家屋の倒壊や津波、地崩れ、火災などの直接的な被害のほか、被災者の避難や損害の復旧、生活の再建が必要となる。

ここで重要となるのがライフラインの早期復旧である。災害が発生すると普段あるのが当たり前と思っていた水道や電気、ガス、石油が災害によって使えなくなる。これによって災害復旧作業にも大きな障害となる。避難した被災者にも不便を強いることになり、最悪の場合、災害関連死の要因ともなる。

ライフラインの状況

そのライフラインの復旧状況であるが、断水は最大75,300戸。このうち1月24日時点で45,380戸がまだ復旧していない。電力については最大40,500戸が停電し、24日現在、約4,700戸が復旧していない状態と報告されている。

一方、ガソリンや軽油、灯油を供給するガソリンスタンド(SS)については、震災直後に営業停止となったところが65軒。営業可能なのは207軒。状況確認中が259軒となっていた。しかし、24日時点では13軒が営業停止中と報告されており、それ以外のほとんどのSSは復旧して営業中と思われる。

また、石油製品を貯蔵しておく油槽所についても、地震直後に一部で配管に損傷があったため出荷停止となったものの、近隣油槽所からの応援配送により大きな影響はなかったと報告されている。そして24日の現時点では順調にローリー出荷中という。

石油は防災の最後の砦

ライフラインのうち、もちろん水も電気も重要であるが、石油は災害時には特に重要な役割を果たす。消防、救急、警察それに自衛隊用車両の燃料として欠かせないし、病院などの自家発電用にも使用される。一般家庭や避難所に芯式の石油ストーブがあれば、停電していても暖房ができるし、煮炊きもできる。

自宅が倒壊あるいは余震で崩壊する恐れがあるため、自家用車内で生活する人もいるが、車内暖房のためにもガソリンが必要である。

このように石油は災害時に電気や都市ガスの不通を補う重要な役割を担うことができるし、石油は備蓄ができるという利点もある。

第6次エネルギー基本計画でも
「石油は、エネルギー密度が高く、最終需要者への供給体制及び備蓄制度が整備されており、可搬性、貯蔵の容易性や災害直後から被災地への燃料供給に対応できるという機動性に利点がある」とされており、石油は災害時にはエネルギー供給の「最後の砦」となると、その役割が強調されている。

意外に強靭 石油の供給体制

既に述べたように、今回の能登半島地震ではSSの被害は比較的少なく、またその復旧は電気や水道に比べてかなり早く、比較的早期に石油製品の提供を開始している。これは、実はSS側で従来の災害を教訓として、様々な取り組みを行ってきたからである。

SSはもちろん、ガソリンのような大量の危険物を取り扱う施設であるから、付近住民から不安視されることもある。実際、SSの建設計画が持ち上がると近隣住民の間で反対運動が起こることも珍しくなかった。

その認識を変えたのが、1995年に発生した阪神淡路大震災である。このとき、神戸市内で大規模な火災が発生し、付近一面が焼け野原になった地域もあった。にもかかわらず、SSで火災が発生したという例はなく、むしろSSだけが火災からまぬがれポツンと残っていたという例がいくつも見られたのである。

阪神淡路大震災に伴う火災ではガソリンスタンドだけが焼け残った

これはSSが法令によって決められた厳格な安全設計で建設されているからで、特に火災が発生したとき、付近の建物への延焼を防ぐために高さ2m以上の防火壁で周囲を囲うことが決められている。この防火壁のお陰で逆にSS内部が火災から守られたのである。

これを契機として、SSは危険な設備ではなく、逆に災害に強い施設であると見直されることになり、逆に災害時の防災拠点として整備が進められてきたという経緯がある。

具体的には全国のSSの中から約2,000か所が中核SSとして整備されている。中核SSは災害時には緊急車両への優先給油を行うため、自家発電設備や大型タンクが整備された。

また、中核SSほどではないが、自家発電設備を備え、災害時に地域住民の石油製品の供給拠点となる役割を持つ住民拠点SSが14,500か所整備されている。これは全国の総SSの内の半数以上に相当する。

中核SSや住民拠点SSは、自家発電装置や緊急設備の定期的な稼働確認が義務付けられており、また、災害時に対応する研修や訓練を行っている。今回、能登半島地震でもSSがいち早く復旧したのは、このような日ごろの備えが生きたのではないだろうか。

今後どうなる

このように、災害発生時にはSSが防災拠点のひとつとなって大きな働きをすることが期待されている。しかし、近年、ガソリンや灯油の消費量が減ってきており、このためSSの数も減少し始めている。

さらに、地球温暖化対策として、今後EVが普及が予想されており、SSの数は今後も減り続けることになる。そうなると将来的には災害時に石油の供給ができなくなる可能性もある。

気候変動対策としてEVの普及は必要であるが、緊急車両までEV化してしまうと災害時に活動できなくなる恐れがある。今後EV社会が実現した場合、災害対策をどうするのか、課題として捉えておく必要があるだろう。

2024年1月28日

羽田空港衝突事故 燃えたJAL機の機体の半分以上が炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製

1月2日。17時47分頃、新千歳空港を飛び立ち、羽田空港に着陸しようとした日本航空516便(以下「JAL機」)が、滑走路に待機中だった海上保安庁の航空機(以下「海保機」)と衝突する事故が起こった。

この事故により、海保機は乗員6名のうち5名が死亡、1名が重傷を負ったが、JAL機の方は14名が軽傷を負ったものの衝突18分後には乗員乗客379名全員が機内から脱出している。乗員が脱出したあと、JAL機は火炎に包まれ、8時間後にようやく消し止められた。

日本航空516便衝突炎上事故の残骸(JA13XJ)By Makochan12.9 – Own work, CC BY-SA 4.0,
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=143460716

ここで気になったのが、乗員乗客が脱出したあとJAL機が8時間も燃え続け、胴体部分が跡形もなく燃え尽きたことである。これからこの事故についての調査が行われるだろうが、この飛行機の主要部分が炭素繊維強化プラスチック(CFRP)で作られていたということが、この航空機火災事故にどのような影響を与えたのかが一つの焦点になるといわれている。

航空機火災事故では何が燃えるのか。まず考えられるのが燃料である。JAL機の燃料は当然ジェット燃料であるが、ジェット燃料というのは実はガソリンスタンドで売っている灯油と同じものと考えていい。ジェット燃料特有の規格に合格しなければならないが、特に変な作り方をしなければ普通の灯油でもジェット燃料として使える。

灯油はご存じのとおり、常温ではマッチで火を近づけても火は着かない。これはジェット燃料も同じことでガソリンよりも安全な燃料なのだが、一旦火がついてしまえば、燃焼熱で燃料自体が温まるから燃え広がって行くことになる。

今回の事故では、海保機との衝突で燃料が漏れだし、ジェットエンジン内の炎などが着火源となって燃えだしたことが考えられる。

しかし、今回の事故では燃えたのは燃料だけではない。JAL機の機体であるエアバスA350という機種は機体の半分以上がジュラルミンのような金属ではなく、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)でできているのだ。CFPRが使われていたことが、火災にどのような影響を与えたのだろうか。

航空機の材料はもちろん軽いことが望ましいが、一方で400人もの乗客を乗せ、時速1000㎞で、高度1万mを飛行するから、機体には大きな負荷がかかる。その負荷に耐えられる強度のある材料でなければならない。

従来はジュラルミンやアルミニウム・リチウムなどのアルミ合金が使われてきたのだが、軽くて強度の高い炭素繊維が発明されると、それを使った炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が機体材料として使われるようになってきた。

最初は機体のごく一部で使われてきたのだが、新しい機体ほどCFRPの使用範囲が広がっている。エアバスA350で使われている材料の内訳は以下のとおりである。

CFRP    53%(使用箇所=胴体、尾翼、主翼部分)
 
アルミ、アルミ・リチウム合金 19%(使用箇所=リブ、フロアビーム、ギアベイ)

チタン    14%(使用箇所=着陸装置、パイロン、アタッチメント)

スチール    6%

その他        8%

A350では、従来、航空機に使われていたアルミ合金は全体の2割ほどしかない。かわりにCFRPが53%と、全体の半分以上に達している。使われている部分も胴体、主翼、尾翼だから、外部から見える範囲のほとんどはCFRP製と言っていいだろう。これほど多量のCFRPを多用した機体は、A350が最初であり、そして今回が初めての火災事故となる。

ではCFRPとはどんなものなのか。CFRPは炭素繊維とプラスチックの複合材料だ。プラスチックだけでは強度が足りないので中に繊維を入れて補強する。その補強材として炭素繊維を使ったものがCFRPである。似たようなものに漁船やバスタブなどに使われるFRPがあるが、これは補強材としてガラス繊維を使ったものだ。

炭素繊維は石油から作られるアクリル樹脂を加熱加工して作られるもので、90%以上が炭素原子からなる。この炭素繊維にプラスチックを混ぜて固める。組み合わせるプラスチックとしては、熱を加えると固まるエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂がよく使われてきたが、逆に熱を加えると液体になる熱可塑性プラスチックも用いられることがある。

A350に採用されているのは帝人(株)が提供するテナックスTPCLといわれるCFRPだ。これは東洋レーヨン(当時)が開発した炭素繊維テナックスにPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)という熱可塑性プラスチックを組み合わせたもの。このテナックスTPCLは強度は鉄の10倍だが、重さは4分の1しかない。軽くて丈夫なので航空機の材料としては絶好の材料である。

PEEKの化学構造

では、このCFRPで火災がおこるとどうなるのか。炭素繊維自体は不燃性といわれる(500~600℃まで高温になると自然発火する)。PEEKは耐熱性、耐薬品性、耐腐食性が高い優れた材料であり、また、難燃性であるから燃えにくい。しかし、やはりプラスチックであるから高温になれば燃える。

今回の事故でも胴体部分は完全に燃え落ちている。炭素繊維自体は不燃性であるから、燃えたのはPEEKの部分だろう。プラスチック部分が燃えれば、形を保っていることができないので崩れ落ちることになる。炭素繊維は燃え残ったとしても外観が黒色なので燃え殻にしか見えないのかもしれない。

今後、事故の調査が進むにつれて、CFRPの火災に対する評価が行われることになるだろう。プラスチックだから燃えるという特性があるが、ジュラルミンでも高温の炎にあぶられれば熱で溶解し、機体自体が崩れる。

2007年8月20日、沖縄県の那覇空港に着陸後、火災が発生した機体。ボーイング737-800。機体はアルミ合金製。

今回の事故では、機体は海保機と衝突しても客室が破壊されることもなく、約1000m地上を走っている。さらにジェット燃料火災の炎にあぶられながらもCFRP製の胴体は強度を保ち、乗員乗客379名全員が脱出する18分間、燃え広がらずに耐え続けた。

しかし、そのあと機体自体が燃えはじめ、数時間燃え続けてほぼ完全に燃え尽きた。
これをどう評価するか。今後の調査で明らかにされるだろう。

2024年1月7日

ひやっしーの危ういビジネス このままではグリーンウォッシュ

一般社団法人・炭素回収技術研究機構(CRRA)の代表理事を務める村木風海〈かずみ〉氏がよくマスコミに登場するようになった。CRRAは地球温暖化の原因となるCO2回収装置「ひやっしー」を開発しており、家庭やオフィス向けに提供するサブスクリプション(定額制)サービスを国内の団体が始めたという。

12月22日付の朝日デジタルによると「X(旧ツイッター)などでは「スゴイ!天才」「衝撃と歓喜!」「世界中に広まるといいね」といった称賛がある一方、「逆にCO2の発生量を追加で増やすだけ」「環境問題にまったく寄与しない」といった批判も上がっている」という。

筆者もこのビジネスには大きな疑問がある。

問題は回収したCO2をどうするのか

ということだ。空気中のCO2を回収するだけなら、それほど難しくはない。アルカリ溶液に吸収させればいい。

実際、ひやっしーは、空気をコンプレッサーで加圧してアルカリ溶液の中に吹込んでブクブクさせている。これだけでCO2を回収することができる。簡単だ。

なぜ、こんな簡単なことを今まで誰もやらなかったのかというと、それは回収したCO2をどうするかの目途が立たなかったからだ。

空気からCO2を回収してもそのまま空気中に放出したり、アルカリ溶液ごと廃棄物処理業者に渡したりしたらなんにもならない。

CRRAでは、回収したCO2からガソリンを作る研究を行っているという。しかし、その技術が完成したわけではない。

確かに、CO2からガソリンを作ることは可能だ。すでに日本を含めて世界各地の研究機関で研究が行われている。ただ、これはかなり難しい

CRRAではCO2を使って微細藻類を培養し、これから採れるグルコースを発酵させてバイオエタノールを作って燃料にするというが、こんな方法は1970年代から提案されて研究が進められているが、いまだに実用化していない難しい技術だ。

ひやっしーがやっているようなアルカリ溶液にブクブクさせるだけといった簡単なものではない。桁違いの技術力と化学工場並みのプラントが必要となるわけだが、このような難しい技術をCRRAが持っているとは思えないし、2年や3年で開発できる技術でもない。

一番の問題は村木氏が提案している方法はすべて、新しいことはなにもない。世界中ですでに研究開発がはじまっているが、非常に難しくまだ完成した技術ではないということだ。CRRAがそれに取り組むのは結構だが、他の研究に比べて特に優れた成果を上げているとも思えない。

いまのところ、ひやっしーで回収されたCO2は、そのままCRRAのラボに保管されているということであるが、いずれは満杯になる。そのときはどうするつもりなのか。

まず、回収したCO2をどう処理するかの

目途を立てた上でビジネスを始めるべき

だろう。

まだその目途もたっていないのに、とりあえずひやっしーをサブスクで販売しておいてから、集めたCO2の有効利用の目途が立たない場合はどうするのか。そのときはビジネスは止めますというのなら、集めた金は全額返金すべきであろう。

少なくとも回収したアルカリ溶液をこっそり捨ててしまうなんてことだけはやってほしくない。

ひやっしーを購入した人や企業や組織は、これが地球温暖化緩和の役に立つと思っているはずである。にも拘らず、集めたCO2をただ貯めておくだけなら、それは典型的なグリーンウォッシュということだ。
(グリーンウォッシュ:実際には効果がないのに環境にいいことをやってるふりをして広告効果をあげたり、投資を呼び込んだりすること)

村木氏は「科学の尺度だけでは計れないビジネスの話をやっている」とインタビューでは答えているが、ビジネスとしてやるのなら、まず、持続可能な技術を確立してからやるべきだろう。

2023年12月29日

ブログの記事がオルタナとYahooニュースに紹介されました

ブログの記事「EV(電気自動車)はエコじゃない? ネット知識は間違いだらけ」がオルタナ誌とYahooニュースで紹介されました。

オルタナ)

ヤフー)https://news.yahoo.co.jp/articles/8b5e6cc9b0cb7b1a85d7d224630ac520730948dc

水素は危険なのか? 爆発して町半分吹っ飛んだという話は本当か

再生可能エネルギーを使用して作られるグリーン水素や、生成時に発生したCO2を地中に閉じ込めたブルー水素などを使って脱炭素を進めようという話が進められている。

ところがユーチューブを見ていると、水素は大変危険なので普及しないと話をしている人を見かけた。そのユーチューバーによると、ヨーロッパでは水素ステーションが爆発して町半分くらい吹っ飛んだという。だから水素は大変危険なので使ってはいけないというのだ。

このユーチューバーの解説はとても歯切れがよくて、面白いので好きなのだけれど、水素が爆発して町半分が吹っ飛んだって話は聞いたことがない。ということで調べてみた。

Wikipedia(英語版)の「hydrogen safety(水素の安全)」の項には水素爆発に関する重大事故事例が23件、リストアップされている。1937年に起こった、あの有名なヒンデンブルク号の火災爆発事故から始まり、2011年の福島第一原発の水素爆発事故も含まれる。そして最新の事例として2023年7月に起こった燃料電池バスが水素チャージ中に爆発した事故までが記録されている。しかし、ヨーロッパで水素ステーションが爆発して町半分が吹っ飛んだという事故は載っていない。

飛行船ヒンデンブルク号の火災事故

Wikiのリストにはもっと小さな事故も含まれているのに、こんな大きな事故が記載漏れになっているとも思えない。Wiki以外にもネットでいろいろ検索したが、それらしい記事はまったくヒットしなかった。ということで、町の半分が吹っ飛んだという話はガセネタだろう。そのユーチューバーは何か別の事故を勘違いしたんじゃないだろうか。

しかし、Wikiのリストには、それに多少近いような、当たらずといえども近からず(遠からずではなく)という記事を見つけたので紹介したい。

2018年2月12日 アメリカ カリフォルニア州ロサンゼルス近郊のダイヤモンドバレー

圧縮水素タンク24本を積んだトラックが水素ステーションに向かう途中、道路上で火災が発生した。火災は午後1時20分頃ころ発生し、午後4時前に消火されたが、この間、爆発の危険があるとして、ダイヤモンドバレーの半径1マイル(800m)の地域の住民が避難することになった。

この事故はかなり広い範囲の住民が避難することになったが、実際に爆発が起こったわけではない。水素ステーションの事故でもないし、場所もヨーロッパではなくてアメリカだ。

2019年6月10日 ノルウェー サンドヴィカ

ノルウェーのUno-X社の水素ステーションで爆発事故がおこった。この事故を受けて、Uno-X社のほかの水素ステーションも一時閉鎖された。Wikiの記事ではこの事故の被害状況が記載されていなかったので、他のサイトの情報によると以下のとおりである。

  • 爆発音が数マイル離れたところでも聞こえ、近くの道路が閉鎖され、交通が混乱した
  • 路上にいた車両のエアバックが衝撃によって作動し、2名が緊急治療室で検査を受けた
  • 犬が4階から飛び降り、オフィスビルの窓ガラスが破損した

この事故はヨーロッパであり、水素ステーションの爆発事故であったが、町半分が吹っ飛んだということもなく、負傷者もいないようだ(4階から飛び降りた犬は無事だったのだろうか)

2020年4月7日 アメリカノースカロライナ州ロングビュー

OneH2社の水素燃料プラントで爆発が発生した。爆発は数マイル離れたところでも感じられ、約60軒の家屋に被害が出た。爆発による負傷者はいなかった。
この事故は60軒もの家屋に被害が及んだことからかなり規模の大きな事故であったが、爆発したのは水素プラントであり、水素ステーションではない。負傷者もおらず、町半分が吹っ飛んだという話ではない。

確かに水素に関する事故はいくつか起っている。だが、水素だから特に危険というほどでもない。水素だけで火災爆発が起こることはなく、水素という①燃える物が空気中の②酸素と混じり合い、何らかの③着火源があるという3つの条件が重なったときだけ火災や爆発が起こる。

水素はニトログリセリンのように衝撃や圧力だけで爆発するというものではなく、ガソリンと同じように3つの条件が必要だ。むしろ、ガソリンは容器から漏洩すると床に溜まって、濃度の濃い蒸気を作って空気と混ざりあうから爆発しやすくなる。京都アニメーションで犯人が事務所にガソリンを撒いて放火した事件がこれだ。

これに対して水素は非常に軽い気体だから、容器から漏れれば、どんどん上に登って行き、拡散してすぐに薄まってしまうから、着火しにくい。容器から漏洩した場合の危険性は、水素の方がガソリンより、むしろ安全かもしれないのだ。

水素は絶対安全とはいわないが、それなりの注意を払えば、ガソリンやLPGなどと危険度は同じか、むしろ小さいくらいだ。むやみに恐れる必要はない。

2023年10月20日

【関連記事】
同じ水素でも色が違う? 水素に付けられたカラー表現の話
ターコイズ水素が日本を救う? 製造時にCO2を排出しない第三の水素
水と触媒だけでCO2を出さずに水素を製造する方法
水素は本当に夢の燃料か? 過度な期待は禁物だ
水素は海水からとりだせば無尽蔵のエネルギー源になる