ドローンを使って台風の強風から風力エネルギーを回収することは可能か

Quoraという知識共有サイト(つまり、ユーザーが質問をして、それに他のユーザーが答えるサイト)で興味ある質問を見つけました。その質問は

「ハリケーンの周囲を制御飛行する、小型風力タービンを搭載したドローンの群れを開発し、強風からエネルギーを回収することは技術的に可能でしょうか?」

というものです。台風やハリケーンは大変大きなエネルギーを持っています。このエネルギーを回収して活用できないのか。最近、発展が著しいドローンを使って、それができないのかという、大変夢のある質問です。しかし、これは無理。不可能です。

風というものは地面に対する空気の流れです。地面に踏ん張ってないと風は感じられません。風と同じ速さで移動していれば(つまり風に流されていれば)無風状態となります。風力発電は地面に固定した風車によって発電します。ドローンのように空中を飛んでいると地面に踏ん張ることができず、風に流されてしまい、風とドローンの移動速度が同じになるので無風状態となって発電できません。

強い風の中でドローンを飛ばそうとすると、多分、地上から浮き上がったとたんに風で吹き飛ばされて、風と同じ速度で飛んで行ってしまうでしょう。風と同じ速度で飛ばされるわけですからドローンに付けられた風車は回らず、発電もできません。

ドローンを、流されている風の向きと反対方向に動かせば発電できますが、これは自分で風を作っているのと同じことです。ドローンを動かすときのエネルギーは、ドローンが持つ風車で発電するよりも必ず大きなエネルギーを消費します。発電できないことはありませんが、ドローンの飛行にはそれ以上のエネルギーが消費されるので意味がないということになります。

下の図は飛行機に風力発電用の風車を取り付けた場合の想像図ですが、風車にあたる風の速度は飛行機が大気中を飛ぶ速度(対地上ではなく大気中の速度)と同じです。その速度を稼ぐために飛行機はエンジンを動かしているわけで、エンジンを動かすエネルギーは当然、その速度によって得られる風のエネルギーよりも大きくなります。

たとえ、ドローンによって発電できたとしてもその電力をどうやって地上に持ってくるのかという問題もあります。

台風やハリケーンの巨大なエネルギーを活用できれば、それは理想的です。しかし台風やハリケーンは位置が変化するので、いつも発電できるとは限らない。これをドローンで追いかけて発電しようというのが質問の発想なのでしょう。面白いと思いますが、ちょっと無理だと思います。

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